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エピソード1 混迷のはじまり

本日から毎日、10日程度(全32話)投稿します。

どうぞよろしくお願いします。

※ 本日中にあと2話投稿します

 「うわぁっっ!」


 僕は口から叫び声を上げながら倒れ込んでいた。四つん這いになりながら周りを見回す。…誰もいない。だだっ広い草原に僕だけがいた。


 「何が起こった…?」


 自分の体が小刻みに震えているのに気付いた。悪夢から覚めた時のように、体中に嫌な汗をかいている。だが、ここはどうやら安全みたいだ。僕は、地面に腰を下ろし、ズキズキする頭を右手で押さえながら、頭の中の混乱を押さえようとした。


 落ち着け。僕の名前は? …トゥサ・E・ゴルジ。この国では誰もが知る最強の天才退魔士、それが僕だ。じゃあなんでそんな最強の男が、こんなところで倒れている? …だめだ、頭に(もや)がかかったようで思考に集中できない。


 それに、何か体に変な違和感がある。だけど、それが何なのかはは分からない。ただ、とてつもなく恐ろしい何かが起こったという感覚だけがある。もう一度自分に落ち着けと言い聞かせ、考え事をするときの癖になっている遠くを見る表情をして、ゆっくり大きく息を吸った。


 そして、その瞬間に僕は、脳に情報を直接ぶち込まれるように何が起こったのか突然思い出した。


 「うわっ!」


 と、つい叫んでしまった。気付いたら、僕は後ろ向きに転んでしまっていた。慌てて起き上がって周りを見渡す。もちろん、さっきと変わらず周りには誰もいない。


 それを確認し、僕は少しほっとして照れ笑いを浮かべてしまった。千年に一人の畏才と言われ、天才退魔士の名を欲しいままにした僕が、慌てふためき悲鳴を上げる所など、誰にも見られてはならない。そう、あんなことがあった直後だとしてもだ。

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