(3)
「おい、待て、また誰か結界内に入ったぞ」
その時、転移者の女(マトモな方)が、そう言い出した。
「結界?」
「この周囲には、侵入者を検知する結界を張ってる。2人……ん?」
「どうしたの?」
「『気』のパターンからして、1人はオーク……ほぼ純血……いや待て……これは……」
「どうしたんだよ?」
「あたしが作った魔法の義手や義足の『気』も感じる」
「え……待って、僕以外の誰に……?」
「あ〜、悪いお報せだ。お前を@#$したオスのチビオークだ」
「待ってよ、あいつにも、僕のと同じ義手や義足を付けたのッ?」
「義手と義足と……あとは義チ○ポも……あ〜、使っても快感は感じないが……あと、一応、排泄機能も有る。多分、正常に作動してる筈だが、あたしらの一族は女しか居ないんで、男の小便の排泄機能をちゃんと再現出来たか、イマイチ、自信が無い」
「何で、そんな余計な真似したのッ?」
「チ○ポの事? だからマトモに機能してるか自信ないって……」
「違うッ‼ 手足の方ッ‼」
「放っておけるかッ‼ いくら屑野郎でも、両手両足と$%&まで失なった状態で、治癒魔法で止血されて生かされ続けてたんだぞ。普通は、殺して楽にしてやるか、新しい手足を付けてやるもんだろッ‼」
「何で、あんな、何するか判んない@#$%に義手や義足を付けたッ⁉」
「お前の義手・義足の材料が、たまたま余ってた」
「ふざけんな、ボケ〜っ‼」
「あいつが怨んでるのは、この阿呆と、この元『聖女』だろ」
「だけど、この阿呆はともかく、元『聖女』の方は、腹ん中に、あいつの子供が……」
「某韓国映画みたいなオチが待ってるかも知れんぞ。入江悠がリメイクした時にカットされたアレ……」
「『あいにく子供は大嫌いでね』か……。あそこまで酷い目に有ったなら……そこまで歪むかも知れんな……」
「な……何の話だよ?」
「逃げろ、この元『聖女』と……」
「な……何で、こんな雌豚と一緒に逃げなきゃいけなんだよッ⁉」
「あの、チビ・オークが連れて来てるのは……転生者だ」
「えっ?」
「しかも、何か妙だ。理由は判らんが……自分で自分の固有能力を封印してるっぽい」
「どう云う事?」
「最悪の予想に基いて行動した方がいいだろう……。自分自身でも、使うのを躊躇う程の無茶苦茶な能力だったとか……」
そして、転移者の女(マトモな方)は、小さい宝石みたいなモノを僕に渡す。
「こいつは、言わば『魔法の無線機』だ。何か、有ったら、これで連絡するんで、ともかく逃げろ。ただ……」
「ただ……? 何? また、何か悪い事?」
「ここは、この世界の『大地母神』の聖地だ。『大地母神』の『気』が強い場所に入っちまったら、その強力な『気』がノイズになって連絡が難しくなる。お前らや、お前らを追ってる奴の位置も把握出来なくなる。気を付けろ」




