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 ……あまりの話に理解が追い付かない……。

 おいおい、あの自称「聖女」、とんだ雌豚だと思ってたら、本当に「豚人間(オーク)」だったのかよ?

 でも、信じていい事なのか、これ……。

 いや、待て……本当だとしても……。

「その話が本当だとして、僕に何の関係が有るの?」

「だから『何故、ここに来た』と訊いたんだ」

「何が?」

「ここは、この世界の『大地母神』の『(ちから)』が集中する場所の1つ。私達が元々居た世界の中国の風水で言う『龍穴』だ。それも特大級のな。そして、この世界で、ネアンデルタール人の一部が『オーク』に変った場所でもある」

「だから、それが何だってんだよ?」

「何故、『オークの聖女』に『自分の全てを捧げる』と『誓言』したお前が、『オークの聖女』に力を与えていた『大地母神』の聖地に来てしまったんだ?」

 そ……そりゃあ……。

「偶然……何となく……えっと……その……」

「マヌケかお前は?」

「はぁ?」

「その酷い表情(ツラ)を見た限りじゃ……もう生きる希望も目的も何も無しに、ただ、惰性で死んでないだけ……そんな感じだろ」

 ……。

 …………。

 ……………………。

「ああ、そうだよ。悪いか? それがどうした?」

「じゃあ、冗談抜きで、お前にとって最悪のお報せだ。付いて来い」

 サイコ女は、そう言って、僕に背を向けて歩き出す。

 何が「悪いお報せ」だよ?

 今の僕以上に悪い状態が有るもんか。

 そんな事を考えながら……サイコ女の後を追い……そして……。

「おい……そいつまで来やがったのか?」

「ああ……」

 そこに居たのは……もう1人の転移者の女。

 いつの間にか……洞窟は明らかに人の手が加わったものになっていた。

 そして……。

「この部屋の中を見てみろ」

「だから何が……えっ?」

 そ……そんな……待て……いや……僕は……こんな……雌豚……。

 その雌豚は……虚ろな表情になっていた。

 そして……その腹は……。

「お前がやった『誓言』は『聖女の為に自分の人生の全てを捧げる』だったな……『()()()』という特定の個人ではなくて……」

「な……な……な……なんだよ、これ?」

「多分だが……その女の腹の中に居るのが……新しい聖女だ。そして、この女は……()()()()()()()()()()()()()、自分でも訳が判らないまま、気付いた時には、ここに来てしまった。……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()にな」

 おい……待てよ。

 僕は……「聖女」の為に人生の全てを捧げると誓ってしまい……その誓いは僕自身を呪縛(しば)っている。

 そして……新しい「聖女」が……この雌豚の腹の中に……待て、待て……待て……。

 ああああ……糞、この雌豚、あの時、殺しておくべきだったッ‼

 そうか……あの時が最後のチャンスだったかも知れなかったのかッ⁉

 本当にそうかは判らないけど……「聖女を殺せない」という僕が僕自身にかけてしまった呪いの……ほんの一瞬だけの例外だったかも知れない……うわああああ……畜生ッ‼

「お前にとって最悪のお報せだ。()()()()()()()()()()()()()()

「みな……大地母神様のおぼしめしのままに……操られていたのです……。勇者様も……私も……この子の父親も……」

 雌豚の口から出たのは……何の感情もこもっていない声だった。

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