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なろう系小説を良く知りもしない奴に限って「なろう系の戦闘描写って『キンキンキン‼』ばっかりなんでしょ」なんて事を良く言いやがる。
それも、SNSだったら、「w」を大量に付けて……現実だったら、最後は「(笑)」で終るような口調で。
しかし……あれ以来、僕は……戦う度に「キンキンキン‼」以外の何も感じなくなった。
誰と、どんな理由で、どんな風に戦ったのか……誰かにそう訊かれても、疲れたように「だから『キンキンキン‼』って感じだよ」としか答えられないだろう。
信じていた聖女様が……とんだ雌豚だと発覚してから、僕の心は死んだ。
「ぐ……ぐえ……」
今日も、どう云う理由で戦っているかさえ良く判らない相手の首を絞めて……窒息死させる。
あの義手・義足には、伸びたり形を変えたりする能力が有った。
ああ……でも……手足はルフィより伸びるのに、心は石か氷のように……冷たく固まったまま。
何も感じない。
つまらない理由で、淡々と……人を殺し続けている。
死んだ心に惰性で生きてる体。
何を食べても美味しいとは思えない。
オ○○ーしても、気持ち良くない。体は反応するけど……心は……そう、まるで、小便か何かのように、溜ったモノを処理するだけの虚しい行為。「前世」で何の為に、こんな真似を毎晩のようにしてたのかさえ、今は思い出せない。
ただ、人を殺してる時だけ、感情みたいなモノが蘇える……いや……多分「気がする」レベルでしかなく、単なる勘違いかも知れない。
ひょっとしたら、僕が生き続けてるのは、自殺する勇気や気力さえ無いからなんだろうか?
食料も無いので……さっき殺した奴の持ち物をあさる。
見付けたのは……何と呼べばいいんだろうか……ナンなんだろうか、これ?
厚手のクレープみたいなモノ……と言っても、焼いてから、かなり経ってるんで、水分も飛んでるみたいで、何とも嫌な食感……しかも、味もほとんどしない。
惰性で噛む。食べる。噛む。食べる。噛む。食べる。
ふと……周囲に目を向けると……。
「えっ?」
「お前……何故、ここに来た?」
その声は……。
2人の転移者の女の……サイコな方。
何が「何故、ここに来た?」だよ?
それを訊きたいのは、いや……待て……。
この糞強くて……糞兇悪なサイコ女なら……僕の……この何の意味も無い2度目の人生を終らせてくれる……。
「何故、お前は、この世界でオーク族が生まれた場所に来た? 新たに生まれたオークの聖女は……どこの何者だ?」
ようやく、僕は自分が居た場所に気付く。
そこは……洞窟のような場所。
「オ……オーク? どう云う事?」
「この世界が、私達が元々居た世界の平行世界だって事は説明したよな?」
「あ……ああ……」
そう……この世界の空には……小熊座と北斗七星が有った。
「この世界と私達の世界の歴史が分かれたのは……数十万年前だ。ネアンデルタール人とサピエンが交雑する前に、ネアンデルタール人が一部を残して絶滅してしまった。だからこの世界のサピエンどもには、ネアンデルタール人のDNAに由来する『白人の特徴を持つ者』が極端に少ないんだ」
「え……い……いや……ちょっと待って……。じゃあ、この世界の白人は一体?」
「だから、あいつらが、ちゃんと言ってただろうが。自分達は人間じゃないって」
ちょ……ちょっと待ってよ……。
ここは……白人が差別されてるような逆転世界だと思ってたけど……この世界の白人って、本当に……?
「じゃあ、この世界の白人って何なんだよ? 人間じゃないとしたら……」
「地下生活に適応した、ネアンデルタール人の亜種だ。地下生活に適応した種族だから、サピエンの血が混ってない純血ほど、肌は白く、目や髪は明く薄い色で、日の光に弱いんだ」
「そ……そんな……馬鹿な……」
「私は、この世界の『人間』を何人も何十人も解剖して調べた。特に骨格をな。この世界の有色人種の骨格は完全に私達の世界のサピエンだったが……この世界の白人……特に純血ほど、ネアンデルタール人の特徴が有ったんだよ。あいつらは……私達の世界のオークの伝説の元になった種族……地下生活に適応したネアンデルタール人の分派だ」




