(11)
「なるほどのぅ……お前ら白んぼどもは『火薬』とか言う、どかぁ〜んとなって、何でんかんでん吹き飛ばす粉ば手に入れて、それば使って町ば占領したとか……」
「へ……へえ……そうでございます、人間様……」
もう、この無茶苦茶にも程が有る村人達のせいで、白んぼも……俺達、白んぼの奴隷人間だった連中も、完全に心をヘシ折られていた。
「で、こん村に来たとは……その、火薬とか言う物ば作っとる場所が間違って吹き飛んだんで、代りに、その『火薬』ば作る為の場所ば見付ける為と……」
「は……はい……左様でございます……」
「ホント、白んぼどもは馬鹿じゃの。折角『チート』だか何だかば手に入れたは良かが……それを使い熟せんとは……」
「は……はい……私どもは、人間様より愚かな生物でございます。生きてて、申し訳ございません」
「じゃ……今度は、儂ら人間が、町を占領した白んぼば攻め滅ぼす番じゃの。白んぼどもも……とんだ三日天下たい」
「で……ですが……人間様。町を占領したオラ達の同族は……まだ、火薬を持っとります」
「何ば言うとる? 阿呆な白んぼどもに、その火薬ば無駄使いさすっとは簡単じゃろ」
「え……どうやって?」
「そいが判らんから、白んぼは阿呆なんじゃ。ま……こん村に攻めてきた白んぼの大将のお前が想像も付かんちゅ〜こつは……他の白んぼにも見破れんちゅ〜こつやな……。おい、用意は出来たか?」
農民様の御大将様は、他の百姓様に、そう声をおかけになられた。
「はい、たっぷり用意したけん」
「よし、白んぼども……これば顔に塗れ」
え……ちょっと……どういう事?