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リズムに合わせて寄せてあげてのお胸とお胸が揺れ続け、やっとのことでナナコ女史はログインを完了させた。
若々しさがみなぎっている。
彼女は若く、恐れというものをなにも知らない。それに比べこの俺は、若さを失い、なにもかもが億劫だ。
若い女性社員とのオフィスラブを暗黙のうちに禁止事項に書き加えている。
ナナコ女史を見た正直な感想は──いい眺めだと思った。
良識的に判断すると、これはセクハラだ。
だから、言葉に出すことは決してない。
だけど、本能にモラルなんてものはないのだ。
彼女の身体全体──その場所に触れてみたいと思った。
汗でさえも。息を呑んだ。
ごくりという喉元を伝う音を彼女に聞き取られないように最善の注意を払っていた。
惹かれている。俺は彼女が欲しくてたまらない。
一方で、なにかを恐れている。このとち狂った想いを彼女にだけは知られたくないという感情。
スケベな中年親父であると同時に良識を持った大人を演じなければならない。
完全に矛盾だ。
そんな俺の思考を見透かされないように、一刻も早く彼女の元から立ち去りたかった。
俺は俺の業務をこなせばいいのだ。
ナナコ女史のペースに巻き込まれてもつまらない。
なのに誰かが背後から背中を叩く。