↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
散歩道 俳句を詠んでみました。  作者: あっちゅ寝太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/31

越後路の風に吹かれて――山と川と、日々の記憶

日常のふとした歩みのなかで、景色がふわりと色づく瞬間があります。今回は、私が散歩道で出会った秋の気配と、胸の奥にある故郷の情景を、いくつかの俳句とともに二つの物語に仕立てました。パレットから取り出したような青空から、足元の小さな虫たちの知恵まで。深まりゆく秋の空気感を、どうぞご一緒に歩くようにお楽しみください。




越後路の風に吹かれて――山と川と、日々の記憶


日々の喧騒から少し離れ、足の向くままに歩を進めると、そこにはいつも変わらない越後の山河が広がっている。特別な旅でなくとも、五感を澄ませて歩けば、行く先々で自然が様々な表情を見せてくれる。

ある日の夕暮れ、ふらりと立ち寄った港の桟橋。沈みゆく夕日の光が、水面だけでなく、岸辺の木々をもあざやかに染め上げていた。まるで自然そのものが、こちらに向かって微笑みかけているかのような温かさがある。


桟橋で 桜も紅く 笑み返す


そんな静かな情景から一転して、日中の川沿いからは、どっしりと構える地元の名峰が仰ぎ見られた。青空に向かってそびえるその山頂には、勢いよく湧き立つ白い雲がダイナミックに巻き付いている。その力強くもどこかユーモラスな姿に、思わず笑みがこぼれた。


秋風や 雲のふんどし 飯豊山


季節は確実に歩みを進め、肌に触れる風も一段と冷たさを増してきた。そんな秋寒の朝でも、我が家の相棒は元気いっぱいだ。「散歩に行くぞ」とばかりにぐいぐいとリードを引っ張るポチに連れられて、きらきらと光る川沿いの道を歩く。寒さもいつしか心地よい刺激へと変わっていく。

秋寒の ポチに引かれて 川歩き

ふと視線を遠くへ巡らせれば、越後平野の向こうにそびえる弥彦山が目に留まる。ふもとの紅葉とは裏腹に、その山頂はうっすらと白く染まっていた。まるで、お洒落な白い帽子をかぶって、これからどこかへ出かけようとしているかのようだ。冬の足音が、すぐそこまで来ていることを教えてくれる。


弥彦山 白帽かぶり お出かけや


川沿いの道をさらに進むと、水面にひとつの流木が流れていた。よく見れば、その上には一羽の白鷺がすました顔で佇んでいる。羽ばたくでもなく、流れる水に身を任せて進むその姿は、まるで優雅に川下りを楽しんでいる旅人のようであった。


白鷺や 流木に乗り 川下り


山を仰ぎ、川を歩き、小さな相棒や鳥たちの営みに目を細める。そんな何気ない日常のひとコマひとコマが、越後の豊かな自然の中で、かけがえのない記憶の1ページとして刻まれていく。

ご一読いただきありがとうございました。日々の歩みのなかで紡いだ言葉たちが、どなたかの心に届き、小さな道標となれば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。