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散歩道 俳句を詠んでみました。  作者: あっちゅ寝太郎


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中秋の風に吹かれて、空の色がゆっくりと落ちていく。明日の中秋の名月を前に、静かな秋の夜が始まろうとしていた。

9月24日に詠んだ四つの句とともに、

中秋の名月を翌日に控えた

静かな秋の夜の気配を綴りました。


夕暮れの凪いだ水面、

秋祭りの宵宮の熱気と静寂、

そして祭りのあとの冷たい帰り道――。


移ろいゆく秋の空気感を

感じていただければ幸いです。


空の色がゆっくりと落ちていく。


明日の中秋の名月を前に、

静かな秋の夜が始まろうとしていた。



「夕暮れの 波穏やかに 蜻蛉沿う」



水面は風もなく、

鏡のように凪いでいる。


その穏やかな波間をなぞるように、

一匹の蜻蛉がすーっと影を引いて飛んでいく。


広大な夕闇の広がりと、

足元をかすめる繊細な命の動き。

世界が静かに息をひそめる一瞬であった。


昼間の残暑が嘘のように退き、

満ちてくる潮の匂いが満ちていく。


やがて帳が下りると、

遠くから仄かな明かりと

賑わいの気配が漂いはじめる。



「夕凪や 赤とんぼ舞う 秋祭り」



ぴたりと風の止んだ夕凪の空気のなか、

ぽつりぽつりと灯り始めた提灯の光に

引き寄せられるように、赤とんぼが舞い踊る。


これから始まる秋祭りの宵宮を前に、

静けさと期待感が交差する

独特の濃密な時間が流れていた。


家々から漏れるご馳走の匂い、浴衣の擦れる音。

日常から非日常へと、

町がゆっくりと体温を上げていく。


神社の境内に近づくにつれ、

お囃子の音が腹に響いてくる。



「踊り子の 耳を安むる 秋太鼓」



熱狂のなかで激しく舞い踊り、ひと段落ついた踊り子。

火照った体を夜風に晒しながら、

少し離れた社殿の影でたたずんでいる。


首筋ににじむ汗が、

夜の気配に冷やされていく。


耳の奥に残る喧騒を鎮めるように、

遠くでドスン、ドスンと鳴り渡る秋太鼓の重低音に

じっと耳を傾ける。


その横顔には、

祭りの熱気と静けさが同居する、

どこか現実離れした艶やかさがあった。


やがて宴の賑わいをあとにし、

ひとり川沿いの道を歩む。



「すすきの穂 川風痛き 帰り道」



月明かりに照らされて、

銀色の波のように白く浮き上がる、すすきの穂。


川面から吹き抜ける風は、

さっきまで踊っていた火照った肌に刺さるほどに冷たく、痛い。


けれどその痛さが、

祭りの幻から現実へと引き戻してくれるようでもあった。


祭りのあとの一抹の寂しさを抱えながら歩む帰り道、

ふと見上げた夜空には、

明日の満月を静かに待つ冴え冴えとした月が輝いていた。


明日になれば、この静けさも

満ちる月が優しく照らしてくれるだろう。


中秋の冷たい風に吹かれながら、

私は家路を急いだ。


明日から2回に分けて エッセイを投稿します。その前に割り込み投稿しました。9月24日に詠んだ句ではありますが、ぜひ御覧ください。

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