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7話

なんでもう1週間も経ってるんだろう...。

不吉な風が、男の神経を逆撫でするように吹いた。


「伏せろ!」


言うと同時に、男はモーントに覆い被さるようにして、地面に自ら倒れ込んだ。


その数瞬のち。突風の様に、何かが頭上をかすめた。『そのような気がした』。


(矢か!?)


男は右手で剣の柄を握りしめ、力任せにホルダーから引き放つ。二つの太陽の光に黒く光り返す大剣を、男はまたも感覚に任せて振り回す。


何か、泥に浸かったように鈍い勘に頼るのは不安だった。だが手応えはすぐにあった。


まず最初。先ほどの矢のような感触が、剣の根元...男の首と頭を目掛けて二つ、飛んできた『様だった』。


不安が増す。


(なんだ...!?)


次は剣の切っ先。大剣越しに男の目に映ったのは、高速で動く黒い影と、それに追いすがる一対の眼光のような光の軌跡。それが切っ先に当たり、剣が大きく打ち払われる。


そして無防備となった男に、黒い影...小人が飛び込んで来る。手斧を振りかざし、大口を開けて叫んでいる『ように見える』。


その時男の脳裏によぎったのは、モーントの周りをゆったりと飛び交う木の葉たち。それよりも更に強い驚愕の感情が、激しく明滅する。


男は目を見開いた。鈍っていた勘が急速に蘇り、同時に違和感が実体を持って現れた。



(なんでこいつら、『音が無い』んだ!?)



覚醒した勘に弾かれて、男の身体が前に出た。


斧の持ち手、比較的ダメージの少ないであろう木の部分を左腕で受け止め、強引に動きを止める。腕にじんわりと痛みが広がるが、ねじ伏せる。


右手を握り、小人の腹に叩き込む。


が。


(硬ぇ!?)


流石に顔をしかめた。それでも小人にも衝撃は伝わっただろう。小人が斧を手放し、獣のように飛び退く。


「ゴブリンです!!」


モーントが叫ぶと同時に、また新たな小人...ゴブリンが突撃してくる。木を削った槍を、男の足に突き出す。


男は避けるので精一杯だった。剣でカバーするのは間に合わない。


ゴブリンも深追いはしなかった。男の足下に落ちた手斧を拾い、すぐさま他のゴブリンと同じように退いた。


(ゴブリン、ねぇ)


男は、初めて『そいつら』を正面から見つめた。


目につくのは頭部のパーツだ。黄色くギラついた瞳。一対の角。禿げ上がった頭頂部。老人のように折れ曲がった卑小な身体が、その異様な様相を際立たせている。



醜いもの。この姿を見た人は、恐らくそういう感想を抱くのだろう。



(...けど)


男は先程の一方的な攻撃を思い出す。


異様に長い腕と指は、小さい身体でも様々な武器を効率良く扱うため。不自然な程ギラつく巨大な眼は、暗がりで光を逃さないため。尋常では無いほどに曲がった背中も、丈の低い植物に隠れるのには適している。


そして何より、あの動き。敵を翻弄し、群れで狩りをする。男は狼を思い出した。


その内の1人のゴブリン...手斧ゴブリンが、ゆっくりと口を開いた。



「良く凌いダ、剣士」

はい、少しでもペースを上げたいです。せめて7月までにある程度のお話を終わらせたいなぁ...。

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