第二話 お友達
支度を終えたアカネは部屋を出て教室に行くことに。教室の前まで来ると声を掛けられた
「ねぇ、君が学園長の言っていた新入生?」
急に声を掛けられ、固まった。恐る恐る後ろを向くとポニーテールの女性が一人。
「驚かせたかな?私は君の担任だ、よろしくな!」
「あ、先生でしたか。よろしくお願いします、先生」
軽く先生と自己紹介を済ませた。『いい人そう、明るいし、話しやすい』
「なぁ、アカネ。自己紹介の準備出来てるか?」
「じ、自己紹介!?知りませんよ!何も考えて無いです!」
焦っている、何も考えていない。考えれば当然の事。自己紹介など基本中の基本。
「不安だなぁ、緊張しますよね」
「自分の事を伝えるだけだ!緊張すること無いぞ!」
『熱い。この教師熱い。何でこんなに熱血系なんだ』
「わかりました。何とか頑張ります。」
先生の後ろを歩き教室に入った。みんなの目線が私に集まる。
「新入生のアカネさんだ。みんな仲良くしてやれよ!アカネさん、自己紹介だ」
「えっと、新しくこの学園に来ました、アカネです。よろしくお願いします。適正魔法は闇系魔法――」
教室が湧いた、大熱狂だ。あちこちで色々な事を話している。そんなに珍しいのか、はたまた強いのか。どちらにせよ、悪印象では無さそうだ。
「あとは、まだ来たばっかで慣れない事ばかりなので皆さん、色々教えてくれると嬉しいです」
みんなが雪崩のように押し寄せて来る。先生が注意しているが聞こえていない。
熱狂がしばらくして落ち着いてきた。
「えっと、後で質問には個別で答えますね。えっと、自己紹介は以上です」
「終わったか、アカネの席はあそこの空いている席だな。アカネの隣になるユマ、相談に乗ってあげろよ!」
歩いて席に向かう。私の席は一番後ろの窓側。席に着き、先生が言っていたユマに挨拶をする。
「よろしくお願いします。ユマさんでしたよね?」
隣の少女――名前はユマ。白髪ロングの美少女と言う言葉がぴったりな人。『可愛い、可愛いんだけど!』
「そうです、ユマと申しますわ。これからよろしくね、アカネさん」
「同じクラスって事はユマちゃんもCランク?」
「そうですわ。恥ずかしながらあまりお強く無いもので」
ここのクラスはCランクの生徒が集まっているのか。アカネと同等か――それ以上か、それ以下か。何にせよここで頑張るしか無い。
そうして、授業が終わり、昼休み。
「ユマちゃん、昼一緒に食べない?一緒に食べてくれそうなのユマちゃんしか居なくて」
「あら、アカネさん。お食事のお誘いですか?嬉しいですわ。ぜひ、食べさせてください」
『天使とご飯を食べれる、嬉しい』
そうして、二人は食堂へ向かった。
学園の食堂はデカかった。食事を貰い、席に着きユマとご飯を終え教室に戻った。ユマはパンを食べていた。大好物らしい。紅茶と合うんだとか。
教室に戻り、午後の授業が始まる。
「次は実技だったよね?どこに行けば良いんだっけ?」
「次は中庭に集合ですの。早く行かないと遅れますわよ」
ユマと急いで中庭まで向かった。もうすでに他のみんなは集まっていた。
「全員来たな、じゃあ始めるぞ。今から行うのは魔法の実技だ。的に向かって魔法を放ってもらう」
「私、魔法使うの初めてで。先生、お見本見せて貰っても良いですか?」
「あ、アカネは魔法使うの初めてか。良いぞ、見せてやる。私は炎魔法だ。参考になるかは分からんが」
先生は手に力を込め炎球を放った。『的に傷がついていない。そうゆうものなのかな?』
「先生、的に傷一つついてませんけど、どうなってるんですか?」
「この的は結界が埋め込まれている。学園長直々の、だから私ごときが傷を付けれる訳が無いんだ。一応先生だからな、Sランク級でも傷が付けれない。あの学園長は化け物だよ――それより、みんな各自で初めてくれ。私は回りながら一人一人見て行く」
各々、的に向かって魔法を撃っている。方や炎。方や水。色とりどりの魔法があちこちで撃たれている。
私もう撃とうと思ったが撃つと言う感覚が無いのに撃てる訳がなかった。
「先生ー!来てほしいです」
先生が私の言葉に反応し、対応していた生徒に何か言った後、こちらに来てくれた。
「先生、すみません。どうやって撃ったら良いかわかんなくて」
「ああ、すまん。見せるだけで撃てるようになる訳ないか。えっとだな、私の場合はまず、掌に魔力を集中させる。そして放つ。どうだ、わかったか――」
私は先生の説明に従いながら掌に魔力を込め放した。何か出た。黒色の球。ゆっくり進んでいく。
「アカネ。出来たじゃないか!!飲み込みが早いと言うか、才能があるな!初日で魔法をそこまで扱える生徒は中々居ないぞ。だがな、調子には乗るな。忠告しておく」
『釘を打たれてしまった。調子に乗るつもり無いけどね』
魔力の送る場所を変え色んなところから放った。掌からは出せたが、それ以外からはうまく出すことが出来なかった――当然である。
「何回も練習しないとな。上の人たちは色んな技を開拓して、独自の魔法を創作してるんだろうな。」
授業が終わるまでひたすらに手から放った。最初に撃った時より少し大きくなったいた。
「ふぅ、疲れた。魔力を消費したからだね。あ!ユマ。実技どうだった?」
「私は及第点と言ったところですわ。前から目標にしていた事は何とか出来るようになりましたの」
「おめでとーじゃん!ユマって凄いんだね」
「いえいえ、そんな滅相もないですわ。それよりもアカネさんの方が凄かったですわよ。私も追いつかれないように頑張りますわ。アカネさんは友達であり、ライバルですわね。」
「うん!ユマちゃんと友達でライバル。私も頑張って追いつくよ!」
二人は教室に戻り、今日の授業終了。
私は部屋に戻りベッドに倒れるように寝た。
「初日疲れたー。魔法使うとこんなに負担が掛かるんだな。ユマちゃんに会いたいなあ。そうだ部屋に行ってみよ!」
寮を探検し〈ユマ〉と書かれた部屋を見つけた。ノックをして返事を待った。待つ、けれど返事が来ない。もう一度。やはり返事が来ない。部屋に居なさそうだ。
「えー、ユマちゃん居ないのかな?学園内を探すかな」
食堂、中庭、教室。行ったことある場所は全て回ったがやはり居ない。
「ユマちゃん居ないんだけど――はぁ、寮に戻ろ」
寮に戻った。最後に。もう一度だけユマちゃんの部屋を確認する。ノック。案の定反応無し。諦めて扉に背中を向け歩いた。
「あ、アカネさん。何回もノックしたのアカネさんですか?」
居た。何食わぬ顔で出てきた。私がどれだけ探したのかユマは理解していない。
「あ、そう私、ごめん。てゆうか。やっとユマちゃんに会えたー!部屋に居たの!?何かしてた?」
「お腹が痛くて、ごめんね。で、アカネちゃんは何の用かな?」
「あ、えっと。ただユマちゃんの顔見たかっただけだよー!」
「じゃあ、お茶してく?」
「うん!ありがとー!!」




