Air:3 野獣VS少年
「伏せろっ!!!。」
誰かの声が聞こえたと思った瞬間。僕と野獣に間に一人人間が割り込んできた。
(に・・・人間???。)
自分の中では何がどうなっているのかわからない。そのまま腰が抜けて、何もできなかった。
少年は左手を握りしめ、野獣に向かっていった。まさか、そんなことで勝てる相手ではない。
「ショットグァン!!。」
少年はそう叫ぶと握り拳を前に突き出した。すると触れてもいないのに野獣が突き飛ばされた。野獣は少しよろめいたが、何とか持ちこたえた。二本の足でうまくたっている。
「グォォォォォ。」
野獣はまた一声あげると、少年に向かっていった。しかし、少年は落ち着いている。なぜだろうか。あの少年はそんなに自分を野獣に食べさせたいのだろうか。少年はまた握り拳を作った。なぜ握りこぶしなのだろうか。それ以外にも方法があるはずだ。ゲーム世界だ。たくさんのアイテムを使えばいい。しかし、少年にはアイテムを使うという考えはないみたいだ。少年はジャンプ一番野獣の上に飛んだ。そして、野獣の脳天めがけて・・・。
「キャノォン!!」
今度はそう叫んだ。結構発音がおかしいけど、彼は「キャノン」と言った。
今度は耐えられなかったみたいだ。頭から血が吹き出し、少しよろめいて、倒れた。
「ふぅ・・・。」
少年は一息つくと倒した野獣の上に下りてきた。
「なんで伏せないんだ。」
すぐにそう聞いてきた。
「このバリファじゃボーっとしてたら食われるだけだぞ・・・。」
彼はそう言ってくれたけど、バリファってなんだろう。この世界の通称のことだろうか・・・。相手はそんなこと全く知らないという顔をしている僕のことを察したらしい。
「何も知らないのか。」
それには何も言わずにただうなずいただけだった。
「・・・。そうか。じゃあ、言えることは一つだな。」
彼はそう言うと、
「この世界は食うか食われるかだ。食料は自分で調達しろ。だいたいここで撮れるのは肉だ。適度にやさいみたいなのが食べたかったら、そこらへんに生えてる草で何とかしろ。図鑑があるなら、図鑑で調べて、何が食べられるか調べればいい。」
「えっ?」
「じゃ。」
彼はそういうとふわりと宙に浮かんだ。よく見てみればさっきまであった足が途中で薄くなって、足首あたりはもう見えていない。そして、彼は人間業とは思えない速さで消えていった。
いったいこの少年は何者なのでしょうか。この先明らかになっていきます。
次は7月30日です。