Air:27 自分!?
次の角を左に曲がると僕は扉にぶち当たった。
「テラ・・・。」
ようやっとゴールが見えた。恐らくこの中から呼んでいるのだ。
「君は誰なの?。」
と声を掛けた。
「来てくれたのかぁ。僕。」
!?。どういう意味だ。僕はここにいる。この中で呼んでいるのは一体・・・。
「君は誰なんだ。何のために僕を呼んだんだ。」
「僕は君の心の中に住むもう一人の君さぁ・・・。」
何だよ。このどっかのマンガで聞いたことのあるようなこの設定は・・・。しかし、どういう意味だ。この扉の向こうで話しているのが僕ならば、僕はどこにもう一人の自分を宿しているというのだろう。
「僕は君であり、君は僕だ。僕と力を合わせて、一緒にお父さんを救おう。」
「お父さんを救う?。見ず知らずの君なんかにそんなこと頼めるか。大体。なんだ。君は本当に僕なのか。」
「いやだなぁ。普段の君はそんなに疑り深い人じゃないじゃないか・・・。」
「!?。」
確かに。僕は人を疑うということはほとんどしない。逆に結構人を信じ切ってしまっているだろう。
「そんな君が僕のことだけは疑うわけ。へぇ。自分の中にいる僕だけは信じられないんだ。」
「・・・信じられるか。そんな非現実的なこと・・・。」
「ここはバリファ。この世界では現実的じゃないことだって起きるのさ。」
何だ。心の中の自分はこの世界のことを理解しているのか。なぜだ。なぜそんなにこの世界を理解することができる。明らかにこの中にいるのは自分ではない。じゃあ、いったい誰だ。
「君は一体誰なんだ。」
「また同じ質問・・・。さっきも言ったじゃないか・・・。」
「・・・。」
「・・・そう。そんなに疑うのなら、見せてあげるよ。僕自身をね。」
扉の向こうでそう言うのが聞こえた。すぐに扉が開いた。そして、僕はその顔に驚いた。まさしく僕だった。本当にもう一人の自分がそこに立っている。だが、一つだけ似ても似つかないことがある。もう一人の僕の身体は光に包まれているのだ。
「これで信じたでしょ。僕は君であり、君は僕。」
「・・・。」
確かに。だが、一つだけ気になることがある。こいつはなぜ僕と同じ格好をしていて、光を放っているのだろうか。
「なんで・・・。なんで君は僕と同じ格好をしているんだ。そして、何で、僕のことをそんなに知っている。」
「そんなもの人の記憶と性格を見れば十分さ。それよりも、僕の存在は君が引き出したんじゃないか・・・。」
「えっ!?。」
次回は11月3日です。




