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「よしろーみたいな雲みつけた」
その文章に写真を添付する。白い部分とグレーの部分がある雲が形に囚われずに大きく広々と存在している。その雲を見た時に迷うことなくカメラを向け、よしろーに送りつけた。そのメッセージにすぐ既読がついた。
「雄大な俺、さすが」と来た時は目も心も冷ややかになったけど、追加で送られてきた写真に一瞬で意識を奪われた。
大自然の中にある湖から飛び立つ鳥の写真だった。その鳥はとても小さくて影になっていてなんという名前の鳥なのか判別がつかないけど、大きな空を見上げ、自分の翼で懸命に、行きたい場所に行こうとしている。私にとって、心打たれる写真に先程のよしろーの発言はすぐ記憶から消えた。
「これ、私?」
「違うけど。なんとなく送っただけ」
「私でしょ?」
「自惚れんな」
「よしろーもこういう写真を保存してるんだね。時々眺めたりしてるの? 想像したらウケるんだけど」
「お前も空見上げた時に俺を思い出したから写真撮ったんだろ? 恋しいの? 会ってやってもいいけど」
「この後予定あるから会えんわ。寂しいね、よしろー」
「寂しくねーよ。これからオタノシミなんで」
「あっそ」
同じ場で会話をしているかのようなスムーズなやり取りと空気感だった。よしろーとは対面でなくても対面のような感覚になれる。存在を強く感じられる。
黒髪のショートヘアから覗く白髪を切り取り、Tシャツに短パンで外へ出た。太陽光に迎えられ、葉や土の匂いで肺を満たし、足を踏み出した。
足取りは軽く、今日もよしろーに話したいことが次々と湧く。よしろーは私にとって唯一無二で、かけがえのない存在だ。




