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## 第一話 「ゴミ部隊の隊長」



# 『俺の800人の兵士たちで、荒れたこの国を変えたい!俺は世界を変える男だ!』


## 第一話 「ゴミ部隊の隊長」


「お前が、新しい隊長だ。」


王都グランディアの軍司令部。


石造りの広間に響いたその一言に、若者は思わず自分の胸を指さした。


「……俺ですか?」


十八歳の青年――**レオン・クロード**。


平民出身で、特別な家柄もなければ、伝説の剣も持っていない。


あるのは、人より少し諦めが悪い心だけだった。


司令官はため息をつく。


「そうだ。お前だ。」


「もっと優秀な人がいるでしょう?」


「優秀な者は全員、前線へ行った。」


「……嫌な予感しかしません。」


司令官は一枚の地図を机に広げた。


「任せる部隊は八〇〇人。」


レオンの目が輝く。


「八〇〇人も!」


しかし、その次の言葉で笑顔は固まった。


「全員、問題児だ。」


「はい?」


「元盗賊。」


「え?」


「酒好き。」


「ええ?」


「命令を聞かない。」


「……。」


「老人。」


「……。」


「ケガ人。」


「……。」


「三日に一度はケンカを始める。」


「もう帰っていいですか?」


司令官は真顔だった。


「帰る場所はない。」


「ですよねぇぇぇ!」


その叫びが軍司令部中に響き渡った。


---


夕方。


レオンは部隊の駐屯地へ向かった。


門をくぐった瞬間、鼻をつく酒の匂い。


「あっ! 隊長が来たぞ!」


「新しい隊長だ!」


「賭けるか? 三日で逃げる。」


「俺は今日中だ!」


兵士たちは大笑いしていた。


ある者は昼寝。


ある者は釣り。


ある者は腕相撲。


訓練をしている者は一人もいない。


「自由すぎるだろ……。」


そこへ筋骨隆々の男が近づいてくる。


「お前が隊長か。」


「はい。」


「俺はガイル。」


握手を求められた。


その瞬間――


「おっと。」


ガイルは酒瓶を落とした。


「昼間から飲んでるんですか!」


「酒は水みたいなもんだ。」


「水じゃありません!」


兵士たちは腹を抱えて笑った。


「この隊長、おもしれぇ!」


レオンは頭を抱える。


(大丈夫か、この部隊……。)


---


その夜。


一人で見張り台に立ち、荒れ果てた国を見渡す。


焼けた村。


崩れた橋。


泣く子ども。


食べ物を求めてさまよう人々。


レオンは静かに拳を握った。


「こんな世界……。」


風が頬をなでる。


「俺は変えたい。」


誰かが笑うかもしれない。


「たった八〇〇人で?」


そう言われるだろう。


それでも構わない。


一人では世界は変えられない。


だけど――


八〇〇人なら。


八〇〇人が本気になれば。


きっと未来は変えられる。


レオンは夜空を見上げ、大きく息を吸った。


「みんな、聞いてくれ!」


騒いでいた兵士たちが静かになる。


「俺は強い隊長じゃない!」


兵士たちは顔を見合わせた。


「剣も普通だ!」


「おお。」


「魔法も普通だ!」


「知ってる。」


「でも!」


レオンは力強く叫んだ。


「俺は誰一人見捨てない!」


静寂が訪れる。


「この八〇〇人全員で、この国を救う!」


「腹いっぱい食える国を作る!」


「子どもたちが笑える国を作る!」


「誰も戦争で泣かない世界を作る!」


そして拳を高く突き上げた。


「俺たちは世界を変える!」


その言葉に、兵士たちの表情が少しだけ変わった。


まだ誰も信じてはいない。


けれど、その瞳には小さな希望の光が宿り始めていた。


ここから始まる。


落ちこぼれ八〇〇人と、一人の若き隊長が紡ぐ、世界を変える物語が。


---


### 次回予告


**第二話「天才軍師は毒舌美少女!?」**


レオンの前に現れたのは、若き軍師・**セリア**。


「あなた、本当に隊長なんですか?」


「失礼だな!」


「戦術はゼロ、経験もゼロ、でも夢だけは百点ですね。」


毒舌軍師とお人好し隊長。


正反対の二人が出会うとき、ゴミ部隊は少しずつ「最強の軍団」への第一歩を踏み出す!



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