登場人物は生きている(キャラ編~るほー)
「るほー。お前んとこはいいな」
ドリームランドにやって来た新住人はそんな事を言った。
そいつは数日して消えた。どうやら作者が作品を完結させたらしい。まあ、よかったな。
この間の大量殺人、いやモンスターもいたから人ではないな。
まあ、いい。
あの胸糞悪い作者の事は忘れたい。
昨日消えた奴、何か元気なさそうだったが?まあ、気にしても仕方ない。
そもそもわしは大魔神だ。
そんな奴らの事など知らん。
「なあ、るほー」
「お主、戻って来たのか早いな」
「お前に聞きたい事があってな」
そんな事を言い出した奴は、邪神らしい。わしの真の姿より迫力はないが、まあ、かなりの大物だろう。
だが聞きたい事とはなんだ?
「お前の創造主は、つまらない物語ですまないとか、外野に謝罪するか?」
「は?」
なんだそれは。
「俺ら力の限り暴れてた。いつも真剣勝負なんだ。だが創造主にしたら、それはつまらん話らしい」
「おい。創造主の名前を教えろ。あとお主の名もだ」
「……何をする気だ?」
「殴り込みだ!」
「やめろよ!創造主が作品を消したら、俺も消える。そんな為にお前に聞いたんじゃない」
「じゃあ、聞かせるな」
根性なしめ。
わしが睨むとそいつは逃げるように消えた。
ふん!
わしは頭にきたので、わしらの創造主、作者の夢に現れて言ってやった。
作者の奴はフンフンと聞いてるだけだったが、最後に探して見ると言っていた。
数日後、奴が笑顔で現れた。しかも礼まで。
「創造主があの謝罪を撤回したんだ!俺らの働きが認められた!」
それは良かったな。
作者がガツンと言ってやったのか?あいつはヘナチョコだが、作品に対しては真摯だし、わしらの事を思ってくれてるからな。
「るほー。お前ら愛されてるな」
「は?気色悪い事を言うではないぞ!」
「照れてるのか?ハハハ」
邪神の奴は似合わない爽やか笑い声をあげて消えやがった。
クソ、気持ちが悪いぞ。
その夜、とりあえず作者の夢に現れてみた。まあ、作者にも経過を知らせる必要があるからな。
「邪神の奴は、お前がわしらを愛してるなど気色悪い事を言ってたぞ」
「愛してるか。それはないな」
う?何かズシンと心が沈んだぞ?
「俺はるほー達に感謝してるんだ。お前達のお陰でここまで書いてこれた。十年以上だぞ。ありがとうな」
「……」
何だ。この気持ちはあったかい。
「るほー?どうした?」
「ふん。次回はわしを元の姿に戻すのだぞ!」
わしは逃げるように、作者の夢からドリームランドへ戻った。
「るほー」
その後ライアンがニヤニヤと話しかけてきたので、殴ってやった。
お?この姿でもいけるな。
まあ、元に戻らなくてもいいか。
作者はわしらを無下にしない。見捨てない。
世界一の創造主だな。
まあ、色々筆力不足なのか不都合もあるが、まあ、許してやろう。