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冒頭 王子との出会い

出会いは突然だった。


当時の夫は身長176センチ。細い身体にうっすらと筋肉がつき、白い肌は光を弾くようだった。笑うと覗く八重歯には少年っぽさが残り、生まれつき体毛が薄いらしく、夏でも腕はつるりとしていた。湯上がりで少し紅くなった肌には妙な色気があり、何度触れたいと思ったかわからない。

優しくて、よく笑って、甘い言葉を惜しまない人だった。

「愛してる」 「今日も綺麗だね」

そんな言葉を毎日のように囁かれ、私は完全に恋へ落ちた。


燃え上がるような恋愛の末に結婚。 子どもにも恵まれ、幸せな家庭を築いていくのだと信じていた。


——あの頃までは。


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