こんなの嫌だもんっ!
・・・・ああっ!!
隆盛、もっと激しくしてっ・・・・
明のことをもっと可愛がってっ・・・・
私の妄想は、より過激になる。
隆盛とのデートにから戻ってきてから、私の体はより熱く滾っていた・・・・。それはお姉様に言わせると、私の一族・・・・私の先祖は、元々は繁殖期に性転換する蛇でお姉様の眷属だった。私の先祖は自分を救ってくれた武者と結ばれたく、お姉様に人間の娘に変えてもらったという経緯がある。私はお姉様の呪いによって女の子に変えられてしまったことにより、蛇の体質が先祖返り的に発症していて、体が性転換=繁殖期と体が判断して反応してしまっている状態らしい。しかも、私は繁殖期が終わろうとしているのに、現状、子種を得ていないことに体が本能的に危機感を覚えて過剰に男性を求めるように催促している状態らしいの。だから、今日のデートでは、隆盛からのエッチなアプローチに異常な盛り上がりを見せてしまった。体は本能的に積極的に男性を求めていて、熱く滾り続けている・・・・。
でも、今。私の体の滾りを押さえてくれる男性もおらず、一自室にこもって一人で励むしかない。だから、自分の滾りを満足させる為に思い描く妄想は、より過激になって行く。
隆盛にもっと、もっと可愛がって欲しかった・・・。
ビリヤード場では、私の異常に気が付いたお姉様の計らいにより、私は正気を取り戻すことが出来た。正気に戻ったせいで、私は羞恥心に耐えられなくなって、強引にデートを終了して自宅に帰ってきてしまった。それでも体は未だ隆盛を求めて鳴いていた。
私は近所の飼い猫が発情期になったというのに住宅から出られずに切ない声を上げて鳴いている姿を思い出す。今の私は正にあのメス猫そのものの状態だった。
そんなメス猫の切なさに泣きそうになりながら一人で励んでいたら、突然、下のリビングからママが私を呼んだ。
「明~っ!! デートから戻ってきたんなら、そろそろ夕食の準備を手伝いなさ~いっ!」
ママのその声で私は、再び正気に戻る。
ああ・・・そうだ、花嫁修業しないと・・・・。
女の子になってから、私はママにお料理を習っている。これは花嫁修業の一環。真面目にやらないとね。いつか結ばれる大好きな人に美味しいお料理を食べてもらわないといけないんだから・・・・。
その義務感、責任感から、私は、体の滾りを抑え込むことが出来た。
デート衣装を普段着にそそくさと着替えて、私はお料理を手伝うために下のリビングに降りて行った・・・・。すると、そこには・・・・・。
「よっ! 明。」
お兄ちゃんがいた・・・・。
私はたった一声、お兄ちゃんに声をかけられただけで、体に雷に打たれたような衝撃が走った。
元々、お兄ちゃんは芸能成就の御利益のある神様の恩寵を受けたエロボイスを持つ声優。その声は女性の恥骨を直撃し、骨抜きにしてしまう。だというのに、間が悪い事に私は現在、繫殖期の影響で体が男性を求めて鳴いている状態。無事に済むはずもなく・・・・。
「ふにゃあああんっ・・・・」
私は、吐息交じりの情けない声を上げながら、腰砕けになって、一人で立っていることすらできなくなって壁に寄りかかりながら、その場に座り込んでしまった・・・・。
「きゃあっ!! あ、明っ!! どうしたのっ!!?」
ママがその様子に悲鳴を上げて驚く。お兄ちゃんも心配して私に近づき、「どうした? 明っ!? 具合が悪いのかっ!?」と、本気で心配してくれた。
妹想いの優しいお兄ちゃん。私が弟だった時から、ずっと私を守ってくれたお兄ちゃん。
なのに、ごめんなさいっ!! 明は、お兄ちゃんの声を聴いちゃうと・・・・体の芯から燃えるように熱くなっちゃうのっ!!
私のその滾りは、私の心の中にとりついているお姉様にも影響を及ぼし、お姉様も思わず音を上げる。
「こ、これはたまらぬっ!!
妾もお前に同調してしまって、恥骨がとろけるように滾ってしまうわっ!!
ここは一つ、妾が乗り切るかっ!」
お姉様は、そう言うと、私の体を乗っ取って、その場から離れる。
「ごめんね。ちょっと、私。立ち眩みがするから、部屋で休んでるね・・・・。大丈夫、ちょっと休めば落ち着くから・・・・。」
私の体を乗っ取ったお姉様は、その場をうまく切り抜けて、私の体を自室へと運ばせる・・・・。
自室に戻った私は、直ぐにベッドに倒れ込んで・・・・お兄ちゃんを思って一人で始める・・・・。
でも、それでは私の滾りは収まるどころか、より激しく燃え盛るように熱くなっていく。
そして、とうとう体の火照りに堪えられず、私はお兄ちゃんを求めて立ち上がって、部屋を出ようとしてしまった。そんな私に危機感を覚えたお姉様が警告して止める。
「やめよっ! 明っ!!
どこへ行くつもりじゃっ!? そして、武に何をするつもりじゃっ!?
母親が見ている前で武に子種をねだるつもりかえ?」
その言葉にハッとなった私は、夢遊病のようにかかったみたいに無意識のうちに自分がしようとしていたことに気が付いて・・・・情けなくなって泣いた・・・・。
「やだぁ・・・。やだよぉ・・・・。
こんなの嫌ぁ・・・・。
こんなの私じゃないよぉ・・・。明は、こんなエッチな子じゃないもんっ・・・・。
もう、やだぁ~~~~。」
動物的な本能に翻弄されて正気を失って男性を求める自分に嫌悪して、私はすすり泣いた。その切なさにたまらなくなったお姉様は、私を心象世界に引き込んだ・・・・。
「・・・大丈夫か? 明よ・・・・。」
お姉様は、地面に寝ころびすすり泣く私にそう声をかけると、私の体を抱き起して耳元で囁く。
その声は何処までも甘く、私は背筋がゾクッっと来て、声を上げる。
あんっ!! お、お姉様ぁ~~・・・・。
お姉様に抱きかかえられた私は、さっきまで泣いていたというのにスイッチが入ってしまって甘ったれた声を上げてお姉様にすり寄る。
お姉様は両性具有の豊穣神。その体の男性部分に私は反応してしまっているのかもしれない。無意識のうちに男性を誘う様に体を摺り寄せて甘えた声をあげて鳴いた・・・・・・。
お姉様は、そんな私に優しい声で「よしよし・・。辛かろうなぁ‥。今、妾がその火照りを抑え込むまで、可愛がってやろう・・・・。」と言って、私を慰めるかのように可愛がってくれた・・・・。
そのあまりの激しい快楽に苦しくなった私の「きゃああああああんんっ!!」という悲鳴が心象世界に響き渡った・・・・・・。
それからどれぐらい時が経ったでしょうか? 現実世界の時間なら半日以上は、私はお姉様の快楽責め苦を味わって、身も心もバラバラになりそうな疲労感に身動き一つするのも大変な状態になってしまっていた。
お姉様は「はぁはぁ・・」と、浅い呼吸をする私の体を抱き起すと、
「それ、吸うがよい。
生命エネルギーに満ちた妾の母乳を吸えば、体の疲れなど吹き飛ぶぞ。」と言って、私を自分の胸元に引き寄せる。
お姉様の胸から漂う甘い香りに私はとりつかれたかのように、その胸に吸い付いた。
それは甘露という言葉がふさわしいほど、甘く私の疲れをいやす・・・・。
その母乳の力は偉大で、ほんのわずかな間に私の体はすっかり癒えていた・・・・。
「ありがとうございます。お姉様・・・・。」
私はお姉様の豊満な胸に顔をうずめながら、感謝の言葉を述べる。
するとお姉様は、
「なに。気にするでない。
敏感で貪欲な割に繊細ですぐに果ててしまう明を可愛がるのは、妾にとって楽しい時間じゃからのぅ。」
と、冗談交じりに言う。
もうっ!! お姉様ったら・・・・・。
でも・・・・・これからどうしましょう? 私、このままだったら、今晩お兄ちゃんの寝室に忍び込んで既成事実を作っちゃうかも・・・・・。
「やりかねんの。妾としてもそれは避けたいところじゃ。数百年前ならいざ知らず、現在の日本の常識で言えば、それは絶対に許されることでない。お前の主たる妾は、お前が結婚するまで清い体にしておいてやりたいでの・・・。」
そういいながら、私の髪を撫でるお姉様はとても優しい。
お姉様は、今後どうするか暫く思案していたけれども、やはり、魔法の力で強制的に私の本能を抑え込むしかないと判断する。
「魔法でお前の本能をある程度抑え込むことは出来る。
しかしの、それは言ってみれば、お前の女の部分を抑え込むのと同じことじゃ。
そうなると、お前の心に復活しつつある男心が力を盛り返すことになる。それも厄介じゃが・・・・・。」
お姉様はそう言って心配されたけど、私はそれでもかまわないと思った。
だって、こんなエッチな子のまま、本能的に男性を漁ろうとするなんて絶対に嫌っ!!
私はもっと、精神的な恋愛を望んでいるんです・・・・・。
私が自分の思いを伝えると、お姉様は、私の覚悟を察してくださり、深く頷いてから私に魔法をかける。
「ええか? 明よ。
女子のままでおりたかったら、強く心を持つのじゃぞ・・・。決して、美月や初の誘惑に屈するでないぞ・・・・・。」
優しくそう諭すお姉様の言葉の意味を私は、この時まだ理解できていなかった・・・・・。