私がお兄ちゃんのお嫁さんにっ!?
「どういうことなんだ・・・・?」
私が本当の意味で女の子になっちゃったその夜には、パパは自動車を飛ばして出張先の他県から大急ぎで帰ってきてくれた。
パパは大手企業の新工場立ち上げのプロジェクトの責任者で他県に出張中だったのに帰ってきてくれた。
私はママに連れられて総合病院に行った。
最初、医者も信用しなかったけど、学生証やらなにやら引き出してきて、なんとか信用してもらえた。
医者は、この未曽有の事件を「赤ちゃんの時に男女判別を誤ったのだろう」とか「元々、女性だったけど、なんらかの原因で男性体に成長したが、思春期に入って女性ホルモンが正常に活動し始めて、本来あるべき女性の体になったのだろう」とか、推測していた。
赤子の時に男女の判別ミスをして成長後に女性と判断される例は実際に稀に起こることなのだとか。
また、性別が変わる様に女性化することもなくはないらしいのだけど、私のように完璧に女性になってしまう例は聞いたことがないと、首をかしげていた。
そして、今日一日、検査入院になったので、病室のベッドに腰掛ける私を見て、パパも呆気に取られていた。
「うちの先祖が蛇の妖怪?何言ってるんだ、明っ!!」
最初、パパは私の話を聞いてくれなかった。
それでも私があんまりにも強情に先祖の話をするので、実家である本家の祖父に電話で尋ねてみると・・・・・・
「そういう、伝説があるんだって・・・・・・。」
と、青い顔をして言った。
なんでも家系図の最初の方には、その事がちゃんと書いてあるのだとか。
よほど珍しい事だと先祖は書き留めたようだ。昔のことなら普通は女性は「○○家土佐守○○の女」といったふうに家名しか表記されない。そもそも名前すら残さない。
にもかかわらず、うちの先祖はこの事を記録に残したのだとか。
「まぁ、恐らく本人ではなく、その孫当たりが記録したんだろうなぁ・・・」というのが本家の返事だった。
もともと武術修行の折に訪れた先の妖怪退治など、伝説にして他人が語るものであり、本人がわざわざ記録に残したりはしないだろうね。
「ともかく、俺が知らなかったことを息子のお前が知る由もなし。
そして、今現実に起こっているこの異常事態。少しは信憑性があるのかもしれんなぁ・・・・。」
そういってパパは自分の髪を撫であげた。
「しかしだな・・・・。」と、パパは言う。
「神様が祀られなかった罰として、明を女にしたのなら、うちの家で懇ろにお祀りしたらどうかな?許してもらえて、明は、女から男に戻れるんじゃないのか?
まぁ、5~600万はかかるだろうが、うちの庭に立派な社と鳥居を立てれば・・・・どうかな?」
その言葉を聞いたお姉様は、大喜び!!
「うむっ!!見上げた信仰心と心がけじゃ!それならば、妾の留飲も下がるというものっ!!よろしいっ!!
そこをちゃんとするならば、許してつかわ・・・・・」
「パパ。ダメだって。絶対に許さないって。
私が結婚してその子供に鳥居を立てさせろって怒ってるの・・・・・。」
「なっ!!何を言うのじゃ!!明っ!!妾はそんなこと一言も言うとらんぞっ!!」
え~、だってぇ・・・・・
私、今更男の子に戻りたくないもんっ!!!
「お、おおおおいっ!!なんじゃ、その理由はっ!?」
いいでしょ、別にっ!!
もう1000年は待ったんだし、あと4半世紀くらい我慢できるでしょっ!?
「でも・・・だって、妾・・・・・」
それに、私が男の子に戻ったら、もうBLCDなんか聞かないんだからねっ!?
いいの?それでもっ!!
私が強気にそう言うとお姉様は地面に伏して泣き崩れた。
「うああああ~っ!!明がいじめるっ~~っ!!
妾、もうBLなしでは生きてゆけぬのを知っておるくせにっ!!
酷い~っ!!」
・・・・・・・・・・フッ、勝った。
よろしくて?お姉様。
これから私にBLを聞かせてほしかったら、男に戻さないとお約束なさいっ!!
「うう~・・・・だって、神の契約がぁ~~~~っ」
そんなの私知らないもん。
もし、お約束できるのなら、毎晩、お姉様のためにかけてあげても良くってよ?
「・・・・・・本当じゃな?
お前の夫が出来ても、毎晩、妾のためにBLを聞かせてくれるのか?
約束できるのか?・・・・・ぐすっ!!!」
約束しますっ!!
だって、私もBLなしでは生きていけないんだもんっ!!
「・・・・それは確かに信用できるな。
良い、許してつかわす。
しかしの・・・明。」
そう言うとお姉様は髪の毛を逆立てた荒魂の姿を見せる。
「BLのことで嘘をついたら、お前をカエルに変化させたうえ、この近隣一帯、豪雨に沈めてくれようぞっ!!
ゆめゆめ忘れることなかれっ!!
BLだけは決して絶やすでないぞっ!!!!」
・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・お姉様って、すごい神様なのか、違うのか。意味わかんない。
ま、それはともかく、これで私とお姉様の契約がなされたってことねっ!!
私とお姉様が、私の心の中でそんな密約を交わしていたとも知らないパパは、すっかり困り果てつつも、やがて立ち直って私に言う。
「まことに無念であるが、こうなったら仕方がない。明、先祖の罪をお前に負わせるのは心苦しいが、どうか耐えてくれ。
不幸中の幸いで、医者が言うにはお前の戸籍を女性に変えるのは、そう難しい事ではないらしい。医者の判別ミスという事なら、直ぐに変更可能だそうだ。
近いうちに女生徒として復学できるだろう・・・。」
と言って、私を抱きしめた。
騙してごめんね。パパ。
でも、私、女の子がいいの・・・・・。
そんな親子のやり取りを遮る様にお兄ちゃんが慌てて病室に入ってきたっ!
「明が女の子になったってっ!!いったい、どういうことなんだっ!!」
ビックリして、大きな声を上げる。
「はうううっ!!や、やっぱりお前の兄の声は恥骨に悪いのうぅ・・・・・
妾、一撃で腰砕けじゃ・・・・。」
お姉様がお兄ちゃんの大声を聞いて一発で沈められてしまった。
わかる。
だって、私も今、腰砕けになりそうだもん。お兄ちゃんの声は耳から入ってきて、私の女の子の部分を刺激する・・・・・。
「くっ・・・・、こんなことになるなんて・・・・。俺が声優の仕事なんかさせたのに関係があるのかもしれないな・・・。ごめん、明。ごめんっ!!」
お兄ちゃんは私の肩に手を置いて、何度も何度も泣きながら、「ごめん」ってあやまってる。
謝るのは、私の方・・・・・だまして、ごめんね。お兄ちゃん。
そして、・・・・・
その声で気持ちよくなっちゃうエッチな妹を許してっ!!お兄ちゃんっ!!
「武君。君が気にすることはない。これはうちの家の先祖の仕業なんだ。」
パパは、私が女の子になったのは自分の責任だとうなだれるお兄ちゃんを慰めた。
「いえ・・・・。俺が自分の職場に連れて行った直後ですから、なんの関係もないはずがありません。
しかし、明。お前、女の子だったのか。道理であんな色っぽい声を出すわけだ。」
「・・・・武君。・・・・」
どう言葉をかければいいのかわからないパパは心底、困ったような顔をしたが、急に何かを思いついて顔がパッと明るくなる。
「そうか!では、責任を取ってうちの明を嫁にもらってくれるか?」
「は?」
パパのあまりにも急展開な発言にお兄ちゃんは理解が追い付かないようだった。
そんなパパの発言を聞いた継母も舞い上がってしまって事態は収拾がつかなくなっていく。
「まぁっ!!ステキっ!!そうよね。うちの武と明は血が繋がってないから、結婚できるわねっ!!」
「そうだよ、ママ。そうなると、君の息子と私の娘は、本当の意味で私たちの子供になるというわけだっ!!」
「ちょっ・・・ふ、二人とも何を勝手に盛り上がってるんだっ!!」
三人がワーワー言っている最中、お姉様が私の心の中で、「これで一年中、あの声に癒されることになるのかっ!!」と、大喜びでピョンピョン撥ねていた。
全く、皆、お兄ちゃんの気持ちも確認しないで・・・・・
ふと、お兄ちゃんと目があった。
すると一瞬でお兄ちゃんは顔が真っ赤になって、慌てて私から目をそらせた・・・・
え?て、照れてるの?
やだ、お兄ちゃん、可愛いっ・・・・!!
しかも、これって脈ありってことだよね?
私は、小さく鼓動する胸に手を当てて、お兄ちゃんのお嫁さんになる空想をしてみるのだった・・・・・。