女の子になった私と始めて行きましょう・・・・
「おかえりっ!!お兄ちゃんっ!!」
「ははは、ダメだぞ。俺はもう君のおにいちゃんじゃないぞ。」
「えへへっ!な、なんだか照れくさくって・・・おかえりなさいっ・・あなた・・・・。」
「お帰りのキスはしてくれないのかい?」
「・・・・もうっ。・・・・お兄ちゃんの甘えん坊さんっ・・・。」
「・・・・ちゅっ・・・」
な、な~んちゃってぇ~!!!
も、もし、パパと継母の話が実現するとしたら・・・・・・
そ、そんな幸せな家庭を築いちゃうのっ!?
私とお兄ちゃんがっ!?
・・・・ありかも、・・・・・・・・・
それってすっごくアリかもっ!!
幼いころから見知った二人・・・・面倒見よく見ていた弟が女性になったことで、女として意識し始めて・・・・
妹の方もずっと自分を支えてくれた頼りになる兄に男性としての魅力を感じて恋に落ちていくの・・・・
それって、全然ありじゃないっ!?
「・・・・続きはどうしたのじゃ?」
え?
お姉様。つ、つづきって何の?
「先ほどお前が心の中で繰り広げておった寸劇じゃよ。
普通、新婚さんが、そんな会話だけでは済むまい?
お前は仕事から帰ってきた武を労いつつ、食事と風呂の話を始めるわけじゃ。
『あなた、お疲れさまでした。ご飯とお風呂のご用意できていますわよ。
先にご飯にされますか?
それともお風呂にされますか?
それとも・・・・・わ・た・し?』
淫乱なお前のことじゃ、そういいながらも武の腕を抱き寄せると、わざとその胸を腕に押し当てておねだりするはずじゃ。
そうなれば、鬼畜眼鏡を演じてきた武も心得たもの。お前の欲求にすでに応える準備が出来ている。アタッシュケースから荒縄を取り出しつつこういうのじゃっ!!
『じゃぁ、君にしようかな?今日、仕事帰りに君好みの縄目のキツイ縄を買ってきたんだ』
お前はその荒縄を見て、うっとりしながら言うんじゃ
『ああん。ステキ!!あなた・・・早く早く、その荒縄でお兄ちゃんを挑発するいけない妹をいじめてください・・・・』
とな、それで武は、お前を押し倒して荒縄でもって縛り上げて言うのじゃ
『いやらしいこだ。今夜は寝かさないぞ」、と。
あああああっ!!たまらぬっ!!
なんと羨ましい話なのじゃっ!!」
い、いい加減にしてくださいっ!!
そういうのは妄想の世界だけで十分ですっ!!
私は本当にそんなことをされて喜ぶ変態じゃないもんっ!!
お兄ちゃんも絶対に私に優しくしてくれるもんっ!!縛ったりしないもんっ!!
「なんじゃ、つまらん奴じゃのう・・・・・。妾だったら、むしろウェルカムじゃがのう。
・・・・・妾・・・・あの声に一晩中、罵られたい・・・・・・。」
お、お姉様ってガチのドМだったんですね。
「当たり前じゃ。お前は、神話の世界を知らんのか。女の豊穣神なんかドМでなければ、務まらんし、男の豊穣神なんかドSでないと務まらん。そうやって世界は成り立っておるのじゃ。
いや、そんなことは、どうでもよいか。」
お姉様は私に向かって人差し指をむけるとハッキリという。
「そんなことより、どうするつもりじゃ?
おまえ、このままだと本当に武の嫁になってしまうぞ?」
・・・?
・・・・・全然いいけど?
「アホたれ。よく考えぬか。
明、お前はそもそも肉欲に負けて女になるのは嫌じゃと言ったではないかっ!
ちゃんと恋愛せんでもいいのか?
それにな。
隆盛の逞しい肉体は武にはないぞ?
不知火の怪しい美貌は?
初の愛くるしい姿は?
お前は、そういう気持ちもあったんじゃぞ?一時の感情に身を任せても良いのか?」
・・・・・ん
・・・・・・う~ん?
どうなんだろう?
でも、その3人とお兄ちゃんだったら、やっぱりお兄ちゃんが一番好きかなぁ?
・・・・・でも、お姉様のいう事には一理あるというか、真実よね。
私、ちゃんと恋愛してから結婚したいっ!!
女の子なんだから、ちゃんと恋愛してみたいわっ!!
「よくぞ申したっ!!それでこそ、我が眷属じゃっ!!
色々な男を試すがよいっ!!
この尻軽娘っ!!」
酷いっ!!
そういう意味じゃないのにぃっ!!
私とお姉様が心の中で色々なやり取りをしていた時、お兄ちゃんが私たちを結婚させる話で盛り上がっていたパパと継母を窘める。
「二人とも、いい加減にしてやれよ。
明は、今、性別が変わったばかりなんだ。混乱しているだろうし、なによりも結婚は本人の意思が大事だ。
とにかく、今日は、明をゆっくり休ませてやらないと・・・・・。」
やだっ!!
お兄ちゃん、カッコいいっ!!
「羨ましいのぉ・・・・・羨ましいのぅ・・・・。」
フフフ、私のお兄ちゃんなのです
「うううっ!!妾もお兄ちゃん欲しいいっ!!」
翌日、MRI等々の検査も終わり、私は、どこにも異常がない健康な女の子として証明されて退院の運びになりました。パパは私を家に送った後、継母を連れて色々と女の子に必要なものを用意するために買い物へ連れて行ってくれた。こうして、一日中、パパと一緒にいられるなんて何年ぶりだろう・・・・・。
ただ、それも私が女生徒として復学するまでの期間の話。パパは今、従業員2000人規模の工場の立ち上げの責任者だから、そんなに長く私たち家族と一緒には、いられない。ほぼ1週間だけだけど、こんな機会は滅多にないので、お兄ちゃんも自宅から東京へ通うように手配できるようにして、私たち4人の生活が始まったのです。
パパとマ継母は、どうあっても私をお兄ちゃんと一緒にさせたいらしく、色々と手を回すのだけど、お兄ちゃんは明の自由を奪ったらだめだよ、と言ってくれたの。
だから、私は宣言したのです。
「あのね。私、お兄ちゃんと結婚してもいいの。
でもね、押し付けられて結婚するのは嫌。普通に恋愛を始めて、普通に結婚したいの。
お兄ちゃんと恋愛するのは嫌じゃないけど、私には、好きになる人を選ぶ権利があると思う。
だから、私は色々な男の子と恋愛する可能性を否定したくないの。
もちろん、その可能性の中にお兄ちゃんもいるの。
それじゃ、ダメかな?」
パパも継母も少し、がっかりしてたけど、それでもお兄ちゃんとの結婚の可能性があるとあきらめてないかった。
逆に意外だったのが、お兄ちゃんだった。
私の話を聞くと、ビールをグイッと男らしく飲み干すとグラスをドンッ!!とテーブルに下していった。
「じゃあ、俺と結婚する可能性があるんだな?
お前がどこの誰と恋愛する可能性があるのか知らんが、俺は負けないよ?」
と、まるで宣戦布告のように言うのでした。
私は、呆気に取られて「・・・・・はい・・・。」としか返事できませんでした。
心の奥でお姉様が悲鳴を上げながら、羨ましがっていたけど、その声が遠くの雷鳴くらいにしか聞こえないくらい、私の胸が高鳴っていた。
そして、いよいよ復学初日が来たっ!!
クラス中がどよめいた。
数日前まで男子生徒だった私が女子生徒として復学してきたのだから、驚かないわけがない。
初日には、病院の先生まで付き添ってくれて、私が女性化した経緯などをそれっぽく説明してくれた。私が女生徒として受け入れられるように、そして、いじめにあわないようにという善意の配慮からの行動だった。
クラスの生徒は最初、驚いていたけど、医者が証明して戸籍まで変わっていることを聞かされると、「そういう事があるんだな」と、受け入れてくれた。
説明のために設けられたロングHRが終わったあと、案の定、隆盛が私の所へやってきた。
「ほら、みろっ!!やっぱり、正夢だったじゃないかっ!
いつからだ?いつから女体化してるんだ?」
と聞いてきたのだが、隆盛は私のまだ未成熟なツルペタオッパイを触った罪があるので、それよりも少し遅れていると説明した。隆盛は残念がっていたけど、それでも少し嬉しそうだった。
しかも、「昼飯の時間にちょっと二人きりで話があるんだっ!」と、切り出してきた。
ふふっ!わかりやすい坊やだね。全く。
そういうところ、嫌いじゃないけどね・・・・・。
私が頷くと「よしっ!!」なんてガッツポーズまでとってきた。わかりやすい。
わかりやすいけど、わかりやすいからこそ・・・・・
こっちまでお昼休みまでドキドキしないといけないんですけどっ!!
お兄ちゃんにあれだけドキドキしていたのに・・・・
はぁ、私・・・本当に尻軽なのかな・・・・?
「気にすることはない。まだ、誰と付き合うと約束したわけでもあるまい?
浮気にはならんよ。
それに、お前の周りにおる連中は、どいつもこいつも美男子じゃ。
あんな連中に言い寄られて心動くなというのは、酷な話よ。
命短し恋せよ乙女というじゃろう?恋愛くらい好きにせい・・・。」
ありがとう、お姉様・・・・・
そして、お昼休み。
隆盛が私を連れて、教室の外へ連れて行こうと出た時、不知火先輩と初が、私に会いに来ていた。
そりゃ、これだけの事件だもん。1クラスどころか、学校中の話題になるよね・・・・。
二人とも他の教室で私のうわさを聞いてやってきたんだ・・・・・。
隆盛は、その二人の必死な顔を見て、「お前らも明に話があるみたいだな。いいぜ。正々堂々、話し合おうぜ」といって、人気のない美術室の前に行くように指定した。
二人も覚悟を決めたような顔して、頷くとついていくのでした。
・・・・うわ。私、本当にヒロインみたい・・・・・。
美術室の前に着くと、初が最初に声を上げた。
「ね、ねぇ!!本当に明ちゃん。女の子になったの?
いいなぁ~、ね、どうやったのか、教えて、教えてっ!!」
と、興奮したように言うが、隆盛はそんな初の頭を右手で押さえると「あのな、これはそういう問題じゃねぇんだ。他人が真似できることじゃねぇ。言ってみれば、病気、体質のたぐいだからな。お前には無理だ。」と言って聞かす。
初は隆盛にそう言われると、ムスッとむくれながら「・・・・なんか、私と明ちゃんだと言葉遣いも態度も違くない?」と真っ赤な顔で不満を言う。
・・・ん~?この二人、いつの間に仲良くなったんだ?
最後に口を開いたのは、不知火先輩だった。
「明・・・。良かった。君は本当に女の子だったんだねっ!
僕は自分の感情が原因で、君の骨格が女性に見えるようになったのかと思って、怖かったんだ。
よかった。僕の絵かきとしての目は死んでなかったんだっ!!」
そういって、不知火先輩は涙ながらに心底安心したように言った。
ああ・・・。
そっか、そうだよね。不知火先輩、それは本当に怖かったでしょ・・・・。私も絵描きだからわかります。
眼がダメになったなんて恐怖そのものだもんね・・・・。
「ごめんね。不知火先輩。私、本当に女の子になっちゃったの・・・・。」
私がそう言うと、不知火先輩は、ホッとしながら言うのだった。
「よかった・・・。僕が君を好きになってしまったのも、君が女性になっていたからなんだね」
と。
さり気ない告白・・・・・?
ううん、多分、無自覚。無自覚の告白だったけど、それは自動的に、この場にいる男子に対する宣戦布告になる、
隆盛はいう。
何処までも男らしく。
「つまり、この場の男子、3名ともお前のことが好きってことだな。」
「で、お前は。この中の3人で誰が一番好きなんだ?誰と付き合うつもりかな?」
その言葉に、この場にいた人間の顔に緊張感が走る。
初は隆盛が怖いのか、不安そうに隆盛を見つめてるし、不知火先輩も不安そうに私を見つめている。隆盛は、真っすぐに私を見つめているけど、腕組しているのか、その手がわずかに緊張で震えていた。
で、でも・・・・この中で一番困っているのは間違いなく、私だ・・・・・。
そ、そんな急に3人から告白を迫られても・・・・
私、どうしたらいいの・・・・。
お姉様、どうしようっ!?
助けてっ!!お姉様っ!!
私が助けを呼ぶと、お姉様は心象世界に私を閉じ込めてくれた。
「あの場で急に心の整理をしろとは、女心の分からぬ男よ。
安心せい、ここでの出来事は現世は、瞬にも満たぬ短い時間となる。この中に時間の流れは無いからの・・・・・。よくよく悩むがよい。悩むなら妾に聞くと良い。
妾も女じゃ。お前の気持ちはようわかるゆえにな・・・・・・。」
お姉様は、私を抱き寄せると優しく語り掛けてくれた。
「・・・・お姉様。」
「ん?なんじゃ?」
「・・・・私、ちゃんと恋愛したい。」
「ん。そういうとったな。」
「・・・・こんな、いきなり迫られるなんて、困るの。」
「ん。では、そう申せ。」
「・・・・え?」
お姉様は、私を優しく押し戻すと「そのまま伝えたらええ。お前の気持ちをな。急に言われても困る。選べる時間と思い出をくれ、とな。」
それだけ言うと、お姉様は、私を現実世界に戻してくれた。
現実世界の戻ってきた私の目の前にはさっきまでと同じ光景が広がっていた。
でも・・・
そうだね、お姉様。私、自分の気持ちを伝えてみるっ!!
私は、3人の前で両手を広げて一回転する。
いきなりそんなことをやりだしたから、3人とも戸惑っていた。
「お、おい?」
隆盛がそう言ったとき、私は尋ねた。
「ね?私の制服姿、どう思う?」
と。
その言葉を聞いて隆盛と初は「か、可愛いっ!」と、同時に言った。不知火先輩は、「白のブラウスがとても清楚な感じがして、女の子になった明によく似合ってるよ。」と言ってくれた。
でもね・・・・・。
「でもね、3人とも今、初めて言ってくれたの。
私を女の子として初めて褒めてくれたの。
私ね。恋愛したいの。ちゃんと女の子らしく。
恋をして、思い出を作って。
今は3人とも女の子の私の時間を過ごしてないよね。それで付き合うのっておかしいと思う。
だから、私を好きにさせてほしいの。
女の子の私と時間を作って、思い出を作って・・・・・・。
そうじゃないと、私も選べないよ。
いい加減に、今、思い出も気持ちもないのに3人を選ぶことなんてできない。
だから、これから私の事。貴方たちのことを好きにさせてほしいの・・・・。
私はその人を選ぶから。それじゃダメかな?」
3人は、暫く俯いて黙り込んでいたけど、やがて隆盛が顔を上げた。
「わりぃ。自分たちだけのことを考えていたな。そうだな、それが普通だな。
俺たちは、まだ女の子のお前との時間を過ごしていない。
だから、今から関係を作っていこうか・・・・・・。
3人の中で、だれが明の気持ちを掴めるか・・・・・勝負だな。」
隆盛が男らしくそう言うと、他の2人も頷いた。
これで3人の恋愛戦争が始まるわけだけど、私はもう一つ、皆に言わないといけないことがあるの。
「ああ、あと。
パパとママは、私をお兄ちゃんを結婚させたいみたいだから。
一応、伝えておくね。」
その言葉に3人は、しばらく固まっていたけど、やがて・・・・・・
「「「えええええええっ!!!お兄ちゃんと結婚~~~~っ!!!!」」」
と、叫び声をあげた。
なるよねー




