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エピローグ「お客さまは」

わしは神さまである。


新羅王子天日矛しらぎおうじあめのひぼこの孫氏そんしにしてまたの名を菓子祖かしそ。いわゆる田道間守たじまもりという。




二年ほど前、カン違いで、ある人の子の舌を狂わせた。


わしの大いなる協力と彼のささやかな努力により、無事に味覚は取りもどされた。




その人の子が、今度、菓子の店を開くという。




場所はわしの神社の近く。人は、元町商店街と呼ぶらしい。


なにやら先輩と呼ぶ女人と開くそうで、前にやる予定であった店の支店ということだ。




くわしいことはわからぬが、あやつが喜んでいるのはなによりである。




百年続けたいと息巻いているが、どうなることやら。


でも、続けるのに必要なことは知っていそうな様子である。




次の新月の晩に、馬車道で試食を食べさせてもらうことになっている。


わしの協力がいるのであろう。むりもない。




わしはあやつの新作を、最初から食べ続けてきたファン一号。


おいしかったことを、ずっと忘れないお客さまかみさま

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