20/26
焦り
リンは、横で物音がしたのに気付き、そちらをハッと見た。
「…!?」
そこにはアイツが…
潤んだ目を見開き、不自然な格好でベッドに倒れ込んでいる…!
「おい、大丈夫か!?」
慌てて呼びかけるが、全く聞こえていないようだ。
見開かれた目は、どこか、ずっと遠くを見つめている。
一体、どうしちまったんだ…???
嫌な汗が背中を伝う。
「お、王女様!?」
後ろで衛兵が慌てた声をあげた。
「今、医者を呼んでくる!」
彼が走り去る気配を後ろに感じながら、
リンは目の前の現実を受け入れられないでいた。
「カノン…」
お前、俺を置いて、どこかに行っちまうのかよ……???
そうすれば繋ぎ止めておけるとでもいうかのように、
リンは小さくてか細い右手を、両手でしっかりと握りしめた………




