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焦り


リンは、横で物音がしたのに気付き、そちらをハッと見た。



「…!?」


そこにはアイツが…

潤んだ目を見開き、不自然な格好でベッドに倒れ込んでいる…!



「おい、大丈夫か!?」

慌てて呼びかけるが、全く聞こえていないようだ。

見開かれた目は、どこか、ずっと遠くを見つめている。


一体、どうしちまったんだ…???

嫌な汗が背中を伝う。



「お、王女様!?」

後ろで衛兵が慌てた声をあげた。

「今、医者を呼んでくる!」


彼が走り去る気配を後ろに感じながら、

リンは目の前の現実を受け入れられないでいた。


「カノン…」

お前、俺を置いて、どこかに行っちまうのかよ……???


そうすれば繋ぎ止めておけるとでもいうかのように、

リンは小さくてか細い右手を、両手でしっかりと握りしめた………




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