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元管理職、経済力で異世界を支配する  作者: わた
二章

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48/51

第四十六話 スキルの影響

ということで、整理してもらった。


――ステータス――

レベル:258


名前:ソウマ セイジ

職業:なし


主な解放スキル:


【自動解析】

【レシピ】

【インベントリ】


――――――――――


シンプルすぎる。名前の威圧感は完全に消滅した。

まあ、確かに使うのはこの辺だけで十分かも。

ありがとう、自動解析。


スキルポイントは後々考えればいいか。

就寝準備をしよう。


パソコンを閉じると、部屋は一気に静かになった。


隣では、ソラがすでに布団に入ろうとしている。


「本当にいいんですか?」

「いいって。俺も端で寝るから」

「でも……」

「いいって、」

「では、お言葉に甘えます」


小さくそう言って、布団に潜り込んだ。

同じベッドに、一定の距離を空けて横になっている。


ちなみに動物ズは地面で寝ている。カーペットがあるし、あったかくて割と快適だと思う。


別にやましいことは何もない。

ただ寝るだけなんだ。


……いや、流石に無理があるよ。初のお泊りで、何も起きないみたいな感じで悲しいよ。


隣からは、規則的な寝息が聞こえてくる。

スー、スー


早っ。緊張とかしないのかよ。

でも、よほど疲れていたのだろう。

病み上がりでもあるし、無理もない。


このまま何も起きないことも悲しいけれど、俺も結構歩いたからゆっくり休むことにした。


翌日、



隣を見ると、ソラはまだ眠っていた。


規則正しい寝息。表情も穏やかで、昨日よりずいぶん落ち着いて見える。


ちゃんと眠れたみたいだ。

それだけで、少し安心した。


腹が減った。

……朝飯はついているかな。


起きた気配で目が覚めたのか、ソラがゆっくりと目を開けた。


「……あ、おはようございます」

「おはよう。よく眠れた?」

「はい。とても安心して眠れました」


それならよかった。変なことをしなくてよかった。


「とりあえず、下に行ってみるか。朝食あるかもしれないし」

「はい」


ソラも立ち上がり、軽く身支度を整える。

二人で部屋を出て、階段を降りた。


一階の一部は簡単な食堂になっていた。

木のテーブルがいくつか並んでいて、朝の光が差し込んでいる。


「ああ、おはようございます」


宿の主人らしき男性が、気さくに声をかけてきた。


「朝食、用意できますけどどうします?」

「お願いします」


席に座ると、しばらくして料理が運ばれてきた。


パンとスープ、それに軽いおかず。

いい匂い。美味しそう。失礼だけど、思っていたよりも贅沢だ。


「いただきます。」

……。


「美味しい!」

「美味しいです!」


すると、カウンターの向こうにいた主人がぱっと顔を上げた。


「本当ですか!?」

「え、あ、はい。普通に美味しいです」

「いやあ、そう言ってもらえると嬉しいなあ!」


やけに嬉しそうだ。

そんなに大したことは言ってない気がするけど。

もう一口食べながら、なんとなく続けて言う。


「もっと食事の種類を出せば人気出そうですけどね」

「……なるほど確かに、そうかもしれませんね!」


急に真剣な顔になった。


「よし、決めた。これ、今日から他のメニューも増やします!」

「え?」


思わず手が止まった。急にどうしたんだ?


「いや、そこまでの話じゃなくて、」

「いえいえ!こういうのは勢いが大事ですから!」


やる気に満ちた声。

……なんか、スイッチ押した?

ただ思ったことを言っただけなんだけど。


まあ、本人がやる気ならいいか。


食事を終えて、チェックアウトへ向かう。


「お代はこれで」


30クレドか。リムベルクだと10クレドだから若干高い。まあ、物価もあるし、仕方ないんだけど。


「やっぱり他の地方に比べて高いですかね?」


軽い気持ちで言っただけだった。

すると主人は「あっ」と声を上げて、


「すみません、では少しお安くしますね!」


と、あっさり値段を10クレドまで下げた。


「いや、そんなつもりじゃ……」

「いえいえ!それに、今日はいい助言もいただきましたし!」


さらに、


「これ、よかったら持っていってください」


と、小さな包みまで差し出してきた。


「……ありがとうございます?」


なんか、妙にサービスがよかった。


外に出ると、朝の空気が気持ちよかった。

人通りもそこそこあって、活気がある。


とりあえず昨日おじいちゃんと待ち合わせをした場所へ向かう。


道の端で、昨日本屋でついでに買った地図を広げてみるが、いまいち分かりにくい。


「すみません、この辺りで……」


近くにいた人に声をかけると、


「ああ、それならですね!」


と、やけに丁寧に説明してくれた。

しかも途中まで案内までしてくれる。


「ここをまっすぐ行けばすぐですよ」

「助かりました」

「いえいえ!」


にこやかに去っていく。

……怖いくらいに親切だな。


そのまま歩いていると、通りに小さな露店が並んでいるのが見えた。

ふと、ある商品に目が留まった。


こんなにお金を持っているというのに未だに持っていないものである。

そう、財布だ。

小銭を常時持っておいたら便利だから、前から少し欲しかった。


「これ、ちょっと良さそうだな」


店主に聞いて、手に取ってみた。


値札を見ると、10クレドは少しだけ高いかな?

まあ、こんなもんか……

そう思った瞬間、


「それ気になります?」


店主が声をかけてきた。


「よかったら少しお安くしますよ!」

「え?」

「今ちょうど仕入れが多くてですね!」


にこにこと笑っている。

断る理由もないので、そのまま買うことにした。

5クレドだった。


すると隣にいた客も、


「じゃあ私もそれ一つ」

「俺も」


と、次々に手を伸ばす。

あっという間に、店の前が少しだけ賑やかになった。


「ありがとうございます!今日は調子いいなあ!」


店主が嬉しそうに笑う。


「……なんか、すごいですね」


ソラがぽつりと呟いた。


確かに変だ。妖怪の仕業……じゃなくて、

なんのスキルで今日はこんなことになっているんだろ?後でまた調べないと。

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