ついに、この時が来た。
「久しぶりのお買い物だー!」
何か起こるのはわかってるけど、やっぱり買い物にはいきたいよね!
『耳生えし幼き少女が王を引き出しルナを守る聖女となる』
夢の中で会ったこともない少女が教えてくれた、いわゆる予言。
ルーチェによると、その子は伝説の大聖女、フローラらしい。
『大聖女の予言が外れることはないわ。確実に、今日出会うはずよ。』
もしかしたら私、その子と結婚しなくちゃいけなくなるかも!?
「大公女、久しぶりです」
テアとルーチェと一緒に街を歩いていると、聞き慣れた声が後ろから聞こえてきた。
振り向くと、そこに居たのは…
「殿下!?」
お忍びで街に来た独身王子だった。
「しーっ!大きい声出さないでください。何のために平民服できたとおもっているのですか!」
彼の服をチラチラ見ると、確かに王族のような人間が着る服ではなかった。
でもね、やっぱり顔と瞳の色が目立つのよ。
多分この街の人たちにはもうバレてるわね。
「ワ、ワカリマシター」
しかたない。
護衛としてついていくか。
「殿ールーさん、今からどこに向かうのですか?」
そんな変な顔で見ないで。
私はネーミングセンスがないの、察して。
「え、えっと、アクセサリーを姉上のために。」
姉上って、アンナ姉様のことよね。
そういえばもうすぐでアンナ姉様の誕生日だっけ。
「せっかく会ったのだし、手伝ってもらっても良いでしょうか…?」
さすが王子、姉への配慮もすごいわね。
「わかりました。向かいましょう。テア、ここから一番近い宝石屋さんは?」
後ろでルーチェと待っていたテアが光の速さで隣まで来てくれた。
「ここからだと、ドライト夫人の宝石店があるはずです。」
ドライト夫人、確か王国一の宝石マニアと言われる人よね。
「そこにしましょう。」
「あっ、ありがとうございます!」
この独身王子、護衛もつけずに何一人で歩いているのよ。
「はいはい。」
ゆっくりと宝石店に向かっていると、カストルとポルックスが目の前に現れた。
『あの人が来るよ!』
『運命の人!』
えええっ!?今?
どこから!?
『『空から!』』
「大公女、どうしたのですか?って、ええええ!」
立ち止まり、見上げると、確かに少女が空から落ちてきていた。
「おっ親方!空から女の子が!」
いやいや、ラ◯ュタじゃあるまいし。
待って、ラ◯ュタって何!?
いや今それどころじゃないんだ!
「殿下、彼女のこと受け止められますか?」
予言に『王』って入ってたし、殿下が受け止めた方がいい気がする!
「わっ、わかりました!」
一番早い方法は…
私と殿下の位置を変えること!
【テレポート】
初めて魔法を発動すると、なぜかできてしまった!
なんで!?
さっきまでゆっくりと落ちてきていた少女は、魔法が切れたかのようにスピードを上げて落ちてきた。
「危ない!」
慌てた叫び声と共に、少女は殿下の腕の中に落ちてきた。
「「よっ、よかったー!」」
安堵と共に、どっちとも声を漏らす。
殿下も大丈夫かしら…?
すぐに声をかけようと、二人の元に少しだけ歩いて行った後、私はそれ以上近づくのをやめた。
なぜかというと、
『あの顔は…』
殿下が恋に落ちた顔をしていたからだ。




