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あぁ、僕は大丈夫ですから。

「こんなところで一人で泣いてどうしたんですか?」


顔を見上げたが、涙でぼやけて誰かわからなかった。

涙を拭うと、声をかけてきたのは同じクラスの桜島清花だった。


桜島清花は、品行方正でお淑やかな人でクラスの人気者だ。

常に周りに人がいて、めちゃくちゃもてはやされているイメージがある。

おまけに成績も優秀で、こんな僕とは正反対だ。


「まぁ色々と悩んでてね。自分に飽き飽きしてたんだ。」


「な、なるほど?自分に飽き飽きして公園のベンチで黄昏れるなんて

 め、珍しい人ですね。私でよければ話聞きましょうか?」


あぁ、これ、ちょっと引かれてるやつか?

気を遣ってくれているんだろうが、迷惑かけちゃ悪いな。


「そんなに心配しなくても、僕は大丈夫だよ。ゲームでもしてぱーっと忘れるよ。

 わざわざ声かけてくれてありがとう。」


無理に笑顔を作りながら、そう言ってベンチから立ち去ろうとした。

そうすると、突然足が止まった。

何事かと後ろを振り返ると、腕をがっしり掴まれていた。


「そんなベンチで黄昏れるぐらい辛い思いをしている人放っておけないです!

 しかも全然目が笑ってない!いいから話聞かせてください!」


「いやぁ、でも…こんなことしてる自分に引いてるでしょ?」


「んなわけない!私はそんなことで引いたりしない。

 一人で抱え込もうとするといつか自分が壊れちゃいます。

 だからお願いします。話を、、聞かせてほしいです。」


そう言った彼女の眼差しは真っ直ぐで、真剣な表情だった。

クラスではこんな表情を見たことがない。いつもにこやかだから。


そんな彼女を見て断れるわけもなく、僕は悩みを全てありのままにぶちまけた。


「んん。なるほど。いじられキャラって辛いんですね。

 外から見ると楽しそうでそうは見えませんが…そういうわけでもないんですね。

 にしても、テストでいい点とって色々言われるとか…

 ただの妬みじゃないですか。酷すぎる…」


「ほんそれ!それなんよ。

 いいところもあるけど、今は悪いところの方が多いかな。」


「ほんそれ!って何ですか笑」


「あぁ、わかりみが深すぎてついつい…」


そう言って、お互い微笑んだ。


「お、自然と笑えてますね。少しは楽になってそうで嬉しい限りです。」


「そうだね。だいぶスッキリしたよ。本当にありがとう。」


「ん?まだ終わってないですよ。明日川くんって自信がないんですよね?」


「えぇ、うん。僕は何をやってもダメダメだからね。」


「ってことで、私と自信をつけるための特訓をしましょう!」


「ん?どゆこと??????」


頭が?で埋め尽くされた。何を言っているんだ?この人は?


「と、特訓とは具体的に…何を?」


「例えば一緒に勉強したり、とか?」


「えぇ、こんな僕と一緒にいるところを見られたら…

 周りにどう思われるかわからないし…またリア充の裏切り者がぁ〜

 とか何とか言ってめんどくさそう…」


「あぁ、確かにそうなっちゃいますか…」


「そうそう。だからこんな僕といるよりも他の人といた方g…」


「じゃあバレないようにすればいいじゃないですか!秘密の特訓にしましょう!」


「えぇ…」


なんか余計によくない気がする。もしバレたら迷惑かかるしな…


そうやって顔をしかめていると、


「そんなに…嫌なんですか?」


と言ってきた。さっきと比べて声のトーンが低すぎるし、少し表情が暗くなった。


「いや、べ、別にそういうことではなく!

 単純に色々言われたりするの大丈夫かなと思って…」


「すみません。ちょっと怒った風に話してしまいました。

 私の心配はしなくていいし、周りに絶対バラさないようにすると約束するので、

 私と特訓、しませんか?」


自分はめちゃくちゃ悩んだ末、特訓?らしきものを一緒にすることになった。


「ところで、ずっと気になってたんだけど…」


「どうしました?」


「学校と随分違うんですね。」


「何ですかそれ。学校の方の私がいいと?」


「いや、べ、別にそういうことではないけど!

 なんか学校の時と違って明るくて真っ直ぐな感じですごく素敵だなと思って!」


「あ、ありがとうございます。

 私いつも誰かと一緒にいるから、人によく気を遣うんですけど疲れるんですよね。

 謎のお淑やかというイメージもついてるし…

 だから、ありのままの自分をさっき知った明日川くんと息抜きという意味でも

 特訓をしたいんですよね。」


なるほど。特訓をしたかったのは、本音で語り合える人が欲しかったからなんだ。

そりゃメリットがないとこんな自分と関わりたいと思わないよね。

やわな期待してしまったな…いかんいかん。


そんなことを思っていると、桜島さんが


「連絡先交換しない?特訓の詳細について話し合いたいですし…」


と言ってきた。


「わかった。交換しよ。」


そう言って僕たちは連絡先を交換し、暗くなってきたので別れを告げ、

お互い帰途についた。


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