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社畜の俺が転生したら愛され王子になったので、魔王国を救います  作者: NAar


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第7話 異世界研究所



ここは城の研究室

魔王城では地下室があって、そこに研究室と呼ばれる場所があるという。

普段は研究員以外は近寄らないし、研究員もあまり城の外には出てこないから何人所属しているのかを正確に知るのは執事のバルドだけだそう。

研究員はあまり他と交流を持ちたがらず、会っても口数が極端にすくないとのこと。

主に他国から持ってきた武器や道具に使われている材料や、最近ではあの青い土にもっぱらかかりきりらしい。



城の地下に進む道はなんだか暗くて、今は本当に昼なのか分からなくなる

やたらと長い階段を降りて、重厚そうな扉の前に着いた。

異世界あるあるではマッドサイエンティストとか、なんか変わった人が多いイメージあるけどここの国ってどうなんだろう?

今のところ関わりがあるのはバルドとメイしかいないし、街に出たこともないのでどんな人種がいるのか分からない


緊張しながら、バルドが扉を開けるのを待っていると

ガチャっと重厚そうな扉の真横の壁が開いた。


「あらやだお客さん?」


えー!扉そっち?!

てか誰ー!


「今日はそちらの扉でしたか」

「え。どういうこと?」


サングラスをかけた長身の男性?が扉の隙間から顔を出していた

「バルドちゃん、先に連絡くれればいいのに~。今日は…メイちゃんもいるのね」

なんだかバルドだけではないことに残念そうだが、どうやらバルドを知っている人らしい


「それで?そちらの可愛いらしいお方は……」

首から上だけを扉の隙間から出していたが、俺に気づいて扉から出てくるなり膝をついた

「お初にお目にかかります、魔王軍研究部門室長を務めておりますヴァイス・エインと申します。お会いできて光栄です、ルシアン王子」


サングラスのままでもニコリと目でも笑ってくれているのがわかる。

あとなんだか絶対顔がいい気もする。

もっと奇抜な人をイメージしていたが、さらさらの黒髪でサングラスで目は見えないが前髪をカチューシャで止めてオールバックにしている

初めて会ったのに、初めてな気がしない雰囲気の柔らかい人だ

さっきまでなんだか語尾が長かったりクネクネしていたように思うが気のせいにしておこう。


「初めまして。ルシアン・アッシュ・フォン・ヴァルデンシュタインです」

「ご立派になられましたね、お生まれになったとの報告を受けてから遠目では確認していたのですが、挨拶するのが遅れて申し訳ありません」

しっかりとした口調で深々と頭を下げられて、どうしていいか分からない


「いえ、バルドから日々研究を怠らず 魔王国に尽力していると聞いております。どうぞお気になさらず」

と、にこりと返しておいた。


研究部門室長ということは、この人に色々お願いしたら色んな手順踏まずに即解決しそうだな。

営業先でもただの社員よりもその部門に特化した人に直接話聞く方が早いし、より濃い話になるから最初に会えたのはラッキーだ



「王子という立場ではありますが、堅苦しいのは好きではないので、出来ればフランクに接してくれると有難いです」

眉を下げて苦笑したように頼めばこちらが少し下出に出てるのも伝わるはず!


それを察してくれたのか立ち上がって

「それぢゃあお言葉に甘えちゃうわ~、ルシアンちゃんでいいかしらん」

切り替え早いな!!

全然違うし、こっちが素なのか?


「はぁ。ヴァイス、それは流石に坊ちゃんに対して馴れ馴れしいですよ」

「そうですよ!私だってルシアン様とお呼びしてるんですよ?!ちゃん付けなんて如何わしいです!ずるいです!」

いや、如何わしいってなに?




「え~、ルシアンちゃんはお許しくださるわよね?」

「え。」

「ね?」

一気に距離を縮めてくるヴァイスに後ずさりするが、ぎらりと光るサングラス越しの目に逆らえる気がしなかった。

「ね?」

「あ、はい」

なんだろう。サングラスなのにやはりイケメンな気がするのは。

イケメンの圧にやられて返事してしまったぢゃないか


「ずるいですよぉ!私だってもっと愛でたいのにぃ!」

「馬鹿メイド、黙ってください」


「あらやだメイちゃん。女の嫉妬は見苦しいわよ~」


気のせいかと思ったが、こっちが本性だったか。

まあでも研究員としては室長なくらいだからさぞ優秀なんだろう。

青い土についても情報が欲しいし、野菜作りと収穫した稲の話も出来たらしたい


今まで戦闘に特化してる話ばかりで、俺にはなにも力になれそうにないので研究だったり開拓の方が前の営業の知識も含めてやっと貢献できる

研究者なら武力よりも、頭を使ったことの方が多いだろうしな

ステータスオープンをクリアしたし、次のステップはこのスキルの活かし方だと思っていたから楽しみだ


「こんなところで話もなんだし、中へどうぞ~。何かを聞きにきたんでしょう?」


「はい。青い土について聞きたいことがありまして」

「あら、バルドちゃん話したの?」

「えぇ。坊ちゃん曰くどうやらあの青い土について思うことがありそうでしたので。」


ん?

「青い土の話ってみんな知ってることぢゃないの?」

「そうねぇ。知っているのは上層部だけね、毒だと分かってから街の人にも伝えるか迷ったけれどその話が他国に漏れると魔王国の野菜が今後売れなくなってしまうのよね。まだ辛うじて残ってる畑はあるし、でも国を補うほどではないから他国を頼らざるを得ないのだけど」



「畑が全部青くなったわけではない?」

全部ぢゃなかったのか


「えぇ。そうですね、たしか街の中心に近いところはそのままの畑がありました。」


なるほど?一部の畑しか見てないから勝手に全て青いのかと思ってた


「うん。これは僕の想像でしかないから確信はないけれど、確かめる為に早く青い土を解決しないと!」


ヴァイスはルシアンの発言になんだか驚いた様子だったが、誇らしげなバルドを見てなにか納得したようだった


「なんだか頼もしい王子様ねぇ」

「坊ちゃんがこう言っているのです。早く部屋に通しなさい」

「わかったわよぅ」


「んもぅ、昔っからせっかちさんなんだから!」

「ん?バルドは昔からの顔なじみなんですか?」



「…………」

「何よぅバルドちゃん、その微妙な顔は!失礼しちゃうわ!従兄弟なのに」


「え?いとこ?」

メイがすすっとの横にきて俺の耳に顔を近づけてきた

「ルシアン様、このイカレた野郎様は正真正銘バルドさんの従兄弟にあたる方です。イカレ具合がそっくりでしょう?」

「え、本当なの?」

「馬鹿メイド、後で覚えておきなさい」

メイがこそこそ教えてくれていたが、しっかり本人に聞こえていたようだ

「ひどいわぁ~、でもバルドとそっくりって嬉しいわ」


2人を見比べてみるが、確かにこの黒髪サラサラ感がどことなく似ているよう…?背格好も近いものを感じるが…

「そんな、ジロジロ見ないでルシアンちゃん」

「え、あの。すみません」

「あまり坊ちゃんをからかわないでもらえませんか」

「やだぁ、だってバルドのお気に入り王子様でしょぉ?そんなのあたしだって好きになっちゃう!」

クネクネしながら話すヴァイスにどこから出したか分からないが斧を持ってメイが殺気を向ける

「首を出しなさい。身長を低くして差し上げます」


「あらやだこの身長気に入っているから困っちゃうわ」

「物騒な発言!バルド止めて!」


斧を出すメイドと、丸腰の長身サングラス

ヴァイスは何も武器を持っていないので確実に不利でしょ

バルドは全然お構いなしな感じで腕を組んで見守っているが、こっちは内心穏やかではいられない。

青い土のこと聞きにきただけなんですけど?!


「心配いりませんよ、坊ちゃん」

「えぇー…でも武器も何も持ってないし、研究員はあくまで研究員でしょう?」


「彼も立派な戦闘員ですよ。この国で戦えないのは王妃様と坊ちゃんくらいです」

さらりと非戦闘員に俺が入ってる、本当のことだが悔しい。


「魔王様に忠誠を誓うものは皆、戦で名を馳せた者たちです。あんな感じですが室長を名乗るくらいですからね。この城の中でも上位の戦闘力を持ってますよ」


「え。そうなの?」





ほんとこの城、戦うことに関してだけに特化し過ぎぢゃない?

いきなり始まるバトルに怯えながらも、バルドが結界を張ってくれているので目の前の光景を見ないように目を瞑ることにした。







******



第7話 読んでいただきありがとうございます!


研究室の方でてきました。キャラ濃いめです

これからの活躍に期待です!


面白かったらフォロー、いいねもよろしくお願いします。



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