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社畜の俺は愛され王子に転生したので魔王国を救います  作者: NAar


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第8話 メイド<室長<バルド





まだ終わらないの?


長すぎぢゃない?







「お互いそこそこやりますね。まあ、そろそろ城が崩れかねないので止めますか」




シャリン


「バルドちゃん。これからが良いとこだったのにぃ」


「そうです。止めないでくださいバルドさん」





金の輪っかみたいなので、2人を拘束するバルドは床に転がった2人を見下ろしながらやれやれといった感じだ。




「ぐぇ」


「ぐっ」


2人の首根っこを掴み引きずりながら研究室のドアを開けようと思ったが両手が塞がっているので蹴破った




「バルドちゃあぁん?!ドアが外れた音が聞こえたけど?!」


「いつでも通れるようにしておきました。」


「え、あ、ありがとう?」




お礼なの?そこそれでいいの?




「お、お邪魔します」


気を取り直して初研究室!


異世界の研究室なんて、なんか見たこともないもので溢れ返ってるに違いない


ドキドキしながら入ると、そこには地下空間全てが研究室になっているかと思うほど広い部屋だった。


中には結構な数の研究員たちが、仕事をしていて入って右側が例の青い土を調べているようだった。


広さに圧倒されていると、引き摺られたままの室長がサイという名前の研究員を呼んだ。




「なんです?忙しいんですけど。」


すごく嫌そうな感じで渋々きましたみたいな白衣を着た子がこちらに向かってくる。


身長は自分と変わらないか、少し大きいくらい


目が少しツンとしていて気だるそうな感じだ


少し緑にもみえる綺麗に真っ直ぐ整えられた髪、濃い緑の瞳はやや猫目気味。


10代に見えるが実際は分からないな




「こ、こんにちは」


まずは挨拶をしとかないとな


「…………王子?!」


ずっと研究資料みたいなものを持って下を向いて歩いていたからか、前を確認していなかったのだろう


顔を上げて目が合うと驚かれた




俺ってあんまり来たらダメなのか?




「そうよぉ、サイちゃん。我が魔王国第一王子のルシアンちゃんよ」


まだ首根っこを掴まれたままなので向こうを向いたままだが、声だけで紹介してくれた


「ルシアンちゃん、この子がここの副室長のサイちゃん」


「王子をちゃん付け?!そのうち刺されますよ」


「サイ様ご心配なく、私がその役目を努めます」


「オイオイもう、危ういのかよ。」




室長に対しての敬意みたいなものがあまり感じられないけど大丈夫なのか?





「いい加減にしないと、どちらの首も明日には鳥の餌ですよ」


「「ごめんなさい」」


うん、バルドが最強なんだな。


逆らわないようにしよう




「サイさんお仕事中失礼します。今日は青い土についての研究資料を拝見したく伺いました」


「青い土?あれは今も調べているが、以前提出したもの以外何も出ていないが?」




「構わないです。正確に青い土になってからの期間が知りたいだけなので」


「そういうことでしたら、直ぐに用意させます。こちらへ」





通されたのは、部屋の隅に辛うじてある机と椅子だった


コップが無いのでビーカーですみません。と言ってお茶も用意もしてくれた。




サイさんはまともそうだなあと思っていると、サイさんと一緒に青い土の入った瓶を持った人が資料を見せながら説明してくれた。名前はランさん。




「右から青い土になる前の土で、なった直後、1週間後、1ヶ月後、そこからは変化があまり無く、これが半年以上経ったものです」






「ふむふむ」


土の色は凄まじいが、薄らだけど色が薄くなっているように感じる。


多分これは除草剤を巻かれたときと同じような効果をしているんだと思う。


日本での除草剤はざっくり2種類あるが、もし使うとしたら残留型の方だろう。


半年経ってるということだから、多分大丈夫だろうけど。




一応確認しておこう


バルドの裾をひき、屈ませる


「バルド、僕のスキルは皆に内緒なの?」


小声で聞くと、一瞬驚いたように目を開くがココで自分がやりたいことを察してくれたのだろう。




「そうですね。一応ヴァイスは知ってますが研究員全てではないでしょう。」


だとしたら、ココで使うのはやはり得策ではない


「サイさん、ランさん、これを少しずつ分けてもらうことはできませんか?」




資料を見に来ただけではなく、一体この王子は何をするんだ?と言いたそうな空気だ


貴重な研究資料や材料だ、何をするのか分からないのに分けることは難しいだろう。




やっぱりダメか


俺だって、自分で調べてたものを横から出てきたやつに横取りされるのは嫌だもんな




せめて、自分の能力が開示できればいいけどまだ稲出すだけだもんな








「いいわよぉ」


「!!」


なんだか声が下の方から聞こえる




「ヴァイスさん、青い土に関する資料で初期のものはこれしか残っていないのをお忘れですか?」


サイさんが少し声のトーンを落として諭す


「あらやだサイちゃん怖いわ」


「ふざけないでください」


「大真面目、よ!今現状で進歩がないのは変わらないぢゃない。これ以上試すものが無いなら渡してみるのもいいと思うわ」




確かに何もなく数ヶ月がたっているとさっき言っていた。


顔がものすごく嫌そうだ




「…………試す価値はあるんですか」


いきなりこっちに振ってきた


「そうですね。それは結果を見ていただいてからなので、今価値があるかどうかをお伝えることは正直難しいです。ただ信じてください、と言うしかありません」


言いきらないと、相手に信用してもらえないのはどの国でも営業する上では大事だ


結果で示す!これしかない。





重い空気が漂う


ましてや今日初めて会った人で、仮にもこの国の王子。無下にすることはできないとはいえ研究員として貴重な資料を手放すという選択肢を易々とできはしないだろう


たとえ室長が了承したとはいえ、さっきの態度をみるからに関係性が良く分からないしな







「はあ、まぁいいでしょう。全てとはいきませんが持っていって構わないです。」


「いいのですか?」


時間がかかると思っていたので、長期戦を覚悟して明日出直そうとか考えてたのに!




「ただし」


「?」


「必ず、結果を伝えること。そして過程を記録してください。渡す以上 知る必要があります。それだけは譲れません」




「ありがとうございますっ!!」


「やりましたね、坊ちゃん」


両手でハイタッチをするバルドをみたサイは この世の終わりでもみているかのようだった、バルドってそんなに怖いの?




「ぁあ!ずるいぃ!私もルシアンちゃんとハイタッチしたい」


「わ、私も!ルシアン様と!ハイタッチ」




声がする方を見てみると、床でバタバタしている室長とメイドがいた


え?まだ拘束取れてなかったの?


むしろよくその体制で、話していたのに持ち出す許可おりたな。この室長は信頼されているのかいないのか良く分からない





バルドがスルーしたので、俺もスルーした方がいいのかと空気を読んだ




「はい。こちらがサンプルです。一応瓶ごとに分けてますのでラベルを剥がしたりしないように」




分けとってくれた瓶を、受け取りさっそくこれで色々と実験出来ると思うとやはり嬉しかった。




「ありがとうございます!これで何か分かったらすぐ報告しますので」


「ええ、そうしてください。では、我々はまだ調べものがありますので」


「はい。本当にありがとうございました!よし、私たちも失礼しよう」


「かしこまりました、坊ちゃん」





「ちょっとこれどうにかしてぇ」


「イタッ!痛いです。貴方が騒がしいせいで私までこのままなんですけど」


「ひどいわぁ、メイちゃん。貴女の髪の毛がずっと顔にかかって痒いのだけど」


「触らないでください。髪が変態になったらどうしてくれるんですか」


「あなた馬鹿ねぇ、そんなわけ無いぢゃない」


「馬鹿はあなたです。」






うん。帰ろう


割れないように瓶をかかえて出口に向かうと


「『置いてかないでーーー!!』」


という声が背後で聞こえたが、面倒くさそうなので置いてきた










第8話 読んでくださりありがとうございます!


青い土の謎、これから解き明かしていきます。

最強なのはバルドでその上が父上です!



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