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社畜の俺が転生したら愛され王子になったので、魔王国を救います  作者: NAar


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第2話 俺爆誕

「魔王様万歳!魔王様万歳!」

「1000年に1度の逸材!これでこの世は安泰だ!」

「無事お生まれになって良かった」



外では大きな歓声と、祝福の言葉が飛び交う。

空は暗く淀み、土は枯れ果て木も生えてはおらず。

絵に描いたような地獄絵図とまではいかないが、土地のせいで魔王城に子が生まれたという良き日ではあるが、そんな状態ではないことは誰もが分かっていた。

だが民はこの城の主、魔王城に住む魔王様がとても好きだった。


こんな荒れた土地ではあるが、何よりも民を一番に考える城主だった。


幹部数名と、少数ではあるが付き従う兵士達は日々鍛錬を欠かさず、民が育てる野菜らしきものや家畜を守り、城主と同じく民に寄り添う。

素晴らしき魔王城である。



「貴方、聞こえますか?民の声が。」と胸に我が子を抱いて優しく微笑むのは魔王城城主の妻である

エリアーデ・アマーリア・フォン・ヴァルデンシュタイン


「ああ。良くがんばってくれた」

ベットに横たわったままの妻の頭を優しく撫でながら我が子を見る目は父の目だ。

クレメンス・アレクサンダー・フォン・ヴァルデンシュタイン、 このヴァルデンシュタイン王国 魔王城の城主である


魔王城とはいっても外壁は所々剥がれ落ち、天井には穴も目立つ。雨漏りもするだろうが 雨が降った記憶はここ数年ないらしい。



金色の緩くウェーブのかかった胸まである長い髪に、前髪の隙間から見える薄い灰色の瞳。これが母の姿だ。


「貴方、名前を決めなくてはいけないわね。この荒れた土地に奇跡を呼んでくれるような名前がいいわ」


黒髪で少し癖のある髪、威厳のある風格、魔王特有の2本の角を持ち 目は切れ長で鋭く、瞳は燃えるような赤。だか息子と妻を見る目は優しく、民や臣下達もこのふと見せる優しさにいつも癒されている。


「ああ。そうだな。」

もう決めてある。寝ずに考えていたんだが今、息子の顔をみたらこれだと思った。

そう言って顎に手を添えて考える振りをして1度目を閉じてから、ゆっくり開き 、再度息子を見て屈むと、小さな息子の頭を撫でながら

「ルシアン。ルシアン・アッシュ・フォン・ヴァルデンシュタイン。 これが我が息子の名だ」

頷きながら続ける

「ルシアンは光をもたらす者、アッシュはこの灰色の大地から救うという希望を込めた」

柔らかく目を細めて、皆の希望をこの子に託してしまうのはどうかと葛藤もしたが子を授かることは難しいと言われていたのに、まさか授かるとは。期待をしてしまう。


「ルシアン…なんて素敵な響きでしょう。皆の者もきっと大賛成でしょうね」

愛しく息子を見つめる。不安もあるが、この子には試練を与えてしまうだろうからたくさん愛を注ごう。それを皆にも伝えて、皆でこの子を大事に育てようと心に決めた。






「・・・・・それにしても、全然泣かないですね。」

「フ、小さいながらに分かっているんぢゃないか?この国の行く末を考えたら泣いてる場合ではない、と。」




「お、おんぎゃあ…!」

「あら、泣き方が優しい。ふふ、気を遣ってくれているようだわ」

「ははは。まるで会話が分かっているようだ!今後が楽しみぢゃあないか!」



俺。爆誕!とか思ってる場合ぢゃない空気

意識バッチリ!色々とあるけど転生して何年後とかぢゃないの?!0歳!第1子!貴族っぽいけど、この国の…とか聞こえちゃった辺り命運託されてる感じが最早チートの兆し


豪快な笑い方。優しく微笑む顔。この方達がここでの父と母、なんだかとても信じられないが本当に異世界にきたのだなとこの暖かい温もりを感じて実感する。

自分のスキルがどうこの世界に適応するのかは不安でしかないがこれからここで俺は生きていく


わくわくよりも今はこの美しい父と母に愛されるであろう毎日を堪能しようぢゃないか!

スキルはどうなっているのかはまだだな。0歳だしな

国を救うだかなんだかあったが、、俺に出来るのか?

元はブラック会社の営業課のただの上司に逆らえない部長だしなとかなんか考えていたらすごく視線を感じる。




「貴方も抱っこしてみますか?」

「こんな小さくて…潰してしまいそうだ」


どうやら父が俺を抱っこしたいらしい。

エリアーデからゆっくりと渡され顔が緩みっぱなしだ

こんなイケおじに抱っこされるのも悪くないな


「あらあら、魔王様も息子の前では型なしね」

うりうりと少しとんがってる爪で頬を触っていたらプツリと傷がついて血がたらりと床に落ちた。


「ふぎゃっ!」

痛いのですが?!



「っっ?!!!!」途端に青ざめる魔王は全身の穴から冷や汗が出る

「あらまあ」「そ、そんなに強くやったつもりはなかったのだが」

慌てふためく魔王と、若いからすぐ治るでしょ。と特に慌てた様子もなく息子の顔を覗き込むと傷ついた箇所はやや光っており血はすぐに止まった


それよりも。

血が落ちた床も光っていた

2人が顔を見合わせて床に注目すると


「なんだか床が光ってません?」

「あぁ、、、ん?」



一瞬光ったと思ったら、床にヒビがはいりそこからポコっと緑の新芽が出ていた。













*******

第2話読んでくださりありがとうございます!

顔の良い父と母のもとに生まれた男主人公です。


異世界あるあるではありますが、

これからスキルを理解するために奮闘します。


続きが読みたいよ!

なんか期待してるよ!という方は是非フォローと評価をお願いします。

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― 新着の感想 ―
早速やりがいのある、そしてハートフルな状況ですね。書くことについて感嘆したのは巧みで展開がスムーズなことですね。私はタラタラと並べてしまうので。読んでいて、とても楽しかったです。
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