食べ物の恨みは恐ろしい
魚料理を堪能して一晩が明けた頃、綿子は鮎ママたちに見送られていた。
「あなたに魚の良さを分かってもらえず残念でしたが、海と地の住人では棲む世界が違うということを知れてよかったです」
「私も魚よりやっぱり角煮が一番の食べ物と知れた良い機会でした
鮎さんには感謝します」
ぎこちなく挨拶する二人。
そこに割って入る亀が一匹。
「ヘイ!マミー!
ここにカムしたピープルにプレゼントがあるんじゃないの?」
「それはそうですが・・・この者に渡すのは生理的に無理というか・・・」
「グランドマミーの言い付けをブレイクするつもりかい!
そんなバッドなチルドレンみたいなことはノーセイよ!」
「・・・わかってます
綿子、本当にほんっとうに!
嫌なんですけど仕方なくこれをあげます」
そう言って綿子に投げつける鮎ママ。
「あぎゃっ・・・」
顔に当たった綿子は痛そうにその場にうずくまった。
「これは古代の文明が遺した本です
これを読むことで力が沸き、手助けをしてくれるという言い伝えがあります
あなたに渡すのは遺憾ですが、仕方なく差し上げます」
嫌々ながら鮎は母からの遺言通りにする。
「私本とか読まないしいらないわよ!
それより顔が怪我したから治療費を請求するわ!
こんな古びた本なんかより宝石を寄越しなさいよ」
痛かっただろうが傷のついてない綿子は大袈裟なことを言って宝をせびり出す。
「そんなものありません
私も本当は渡したくない思い出の物をあなたに差し上げるのです
それを持って早く立ち去りなさい
ノコノコ!早く地上に捨ててきなさい」
そういって城に引き返す鮎と亀に咥えられながら海中に引きずりこまれる綿子は一度は仲の良い雰囲気を出していたが道を違えたのであった。
「ちょ!待ちなさい!
こんな金にもアメにもならなさそうなボロボロなガラクタ押し付けるな!
宝石を寄越せ!そして亀やめ・・・あばばばばば」
こうして綿子は一冊の本を携えて地上に戻るのであった。




