一人前とは
綿子が俺たちフル回転に入って半年が過ぎようとしてたある日のこと。
「マナさん!遺物が揃いました!
長い道のりだったけどこれで強くなれるんだね」
通常であれば半月もかからず揃う遺物がクエスト中の間食で大半が消えてしまって時間がかかった綿子。
食の魔力は恐ろしい。
「ここまでかかる子も珍しいわ・・・
ほむさんもちゃんと支払ってるから切るつもりないみたいだし私移籍しようかしら・・・」
ベテランのマナもここまで綿子と付き合いで疲れ果てていた。
「マナさん、今度はなにをすればいいの?」
「前にも伝えたけど次は仲間よ
あと買い食いは辞めなさい。強くなれないわよ?」
「仲間かぁ。私にも遂に奴隷が出来るんですね!」
「奴隷じゃなくて仲間!
酷いこと言うと反抗期迎えて手助けしてくれなくなるから気を付けなさい!」
いまいち仕組みをわかってない綿子にマナは強く忠告を入れる。
「わかってますよ
仲間も育てて服装整えてからいよいよ装備が整えられるんだよね?
楽しみだなぁ」
なんだかんだ言い付けを守る綿子は全く言うことを聞かない訳じゃないからたちが悪いとマナは感じていた。
(そろそろ本格的に移籍考えよう・・・)
「あなたもそろそろ一人前になってきたので私も教えることがなくなりました
一人立ちの時です」
「えっ・・・本当ですか!?」
「えぇ、本当よ
私もフル回転にお世話になったけどそろそろ上を目指そうと思ってるの
あなたも早く追い付いて私を追い越さないと角煮の夢は叶えられないわ
これは私からの挑戦状よ」
「和代さん・・・」
「お願いだからその名前で呼ばないで」
本名を嫌い、この世界で偽名を使っているマナは二度と綿子と関わり合わないよう決意する。
涙流す綿子にマナは最後ということもあって感情を爆発させるのを我慢した。
「仲間を集めて服装を整えること
そこまでいけば装備を整えてすぐに強くなれるわ
頑張りなさい」
「ありがとう!マナさん!
今まで本当にありがとうございました!」
最後に必要なことだけを伝える優しさを見せるマナと感謝の気持ちを伝える綿子の師弟関係はここで終わりを告げる。
次の日マナはほむらに脱退の件を伝え受理された。
綿子もまた一人前と認められ次のクエストの許可が降りたのだった。




