Happy end
最終話です。
今まで本当にありがとうございました!
あれから数日。
私はまだこの世界にいる。
「……よかった、二人とも。ほんっとに心配したのよ!」
リコ女王にはとても心配をかけてしまっただろう。
戻ってきてすぐに出迎えてくれた。
相変わらず、レイはあの性格だが前よりはましになったかもしれない。
しかし………。
困ったことに帰る方法が見つからない。
前に女王がレイと結婚したらどうのこうのとはいっていたが………。
そんなことを考えていると誰かが窓を叩き始めた。
「やっほー、麻理華。遊びに来たよ。」
「………カイ。窓から来るのは止めて。」
カイはあの戦いの後から城に住んでいる。
周りがいいからなのか前よりも随分と明るくなった。
「……で、一体なんの用?」
「ん?実はさ……」
カイが言いかけたその時。
トントンっと扉を叩く音が聞こえた。
「……おい、麻理華。入るぞ。」
来たのはレイだった。
レイが私の部屋に来るとは………。
一体なんの用だろう。
「…全く。レイもなんの用?」
「あれ?王子も来たんだ?」
レイはカイがいるのに気が付くと何故かぶすっとした顔になった。
「……おまえもいたのかよ。まあ、いいけどな。」
レイは椅子に腰掛けながらまじめな顔になった。カイも私も真剣に耳を傾ける。
「……元の世界へ帰れるぞ。」
「……僕もそれを報告に。」
「………本当?」
突然の報告にただただ驚く。
あ………。
でも、それって……。
「……ねぇ、レイとの結婚でじゃないよね?」
「……あたりまえだろ?」
「……よかった。」
これでやっと、帰れる。
とても嬉しいのだがなぜか心残りがある気がした。
翌日。
私は城の中にある巨大な扉の前に来た。
もちろん、レイもカイもリコ女王も一緒である。
昨日、レイに聞いた所この扉は私がいた世界とこの世界を繋ぐ扉らしい。
ついに帰れるのだ。
「……お別れだね。」
「………あぁ。」
一人一人と握手をした後、扉のノブに手をかける。
「…今までありがとう。」
扉を開けようとした。
その時。
「…また、会えると言いな。」
レイがそう呟き、私の腕を掴む。
次の瞬間、一気に腕を引かれ抱き寄せられた。
「……ちょ、何すんの…。」
抗議をしようとしたが呆気なく………。
ファーストキスではないが、キスをされた。
私は真っ赤な顔になりつつ扉を開いた。
「…麻理華、麻理華!起きなさい。」
気が付くといつもの自分の部屋にいた。
よかった。戻って来れたようだ。
でも、レイのやつ急に………。
また思い出すと恥ずかしくなってくる。
「遅刻するわよ!」
「はいはい……。」
私は母さんに急かされ学校へと向かった。
「おはよ−。」
いつもと変わらない教室。
そんなに離れていなかったはずなのにとても懐かしい。
「ねぇ、転校生がくるらしいよ。」
友達の一人が私に話かけてきた。
転校生か……。
特に興味はないがこの学校で転校生は珍しい。
「はい、席に着いて!
みなさん、今日は転校生がいます。どうぞ、入ってきなさい。」
先生がチャイムと同時に入ってくる。
ちらりと転校生のほうを見た。
「……あ!」
なぜ?
転校生はなんと、あのレイにそっくりだ。
「北條レイです。
よろしくお願いします。」
レイ………?
これはまさかの本人なのだろうか?
しかも、うまいことに私の隣の席が空いている。
「……じゃあ、川端さんの隣の席に座って。」
先生の指示に従ってレイがくる。
でもまだ本人だとはわからない。
しかし、そんな思考も次の瞬間打ち砕かれた。
「よろしくな、麻理華。」
レイはいつもの笑顔でわらう。
「……なんで、あんたがここにいるのよ。」
「勉強だよ、勉強。こっちのことを学んでこいって。」
おい、おい………。
それでもまさかこっちで会うとは思わなかった。
ん?
あそこの扉ってそんなに使えたのかしら?
まあ、とにかく………。
「この、馬鹿王子っ!」
もう、忘れられないじゃないっ!
Happy end……?
どうも、ラッキーラインです。
ついに完結です。
いやぁ……うん、終わり方が雑だとかはまあ置いといて(ォィッ
今までアクセスして下さった皆様、更に評価&お気に入り登録して下さった皆様、本当にほんっとにありがとうございました。
無事完結できたのも皆様のおかげです。
この『朝、目覚めたら異世界にいた』はこれにて完結致します。




