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家発見と親父みたいな人



「うひぃー・・・。暑すぎて死にそー・・・」



ジャージの裾で汗を拭い、鋏で木に目印の傷をつけながら草木をかき分け、歩き続ける

かれこれ30分ぐらいこの状態である


広いところは見つかるのだが、だいたいは沼か動物のいた痕があるため住めるような場所は見つかっていない

そして秋は、元から人より体力がないため疲れて顔が大変なことになっているのだが、それは置いておこう


そういえば、名前どうしよう。今は男だし、この時代名字がある人はそれなりに身分がある人だし

ん~・・・ゲームのユーザー名だった和泉でいいか

ちなみに特に意味はない、勘だ



「にしても、空気がうまいなあ。私のいた時代は排気ガスが、オゾン層を突き破るぐらいだからなあ・・・」



と、どうでもいい独り言を言っていると、突然、一気に視界が開けた

目の前にはtheお屋敷というような一階建ての建物と畑にできそうなぐらいの広さの地面があった

え?わかりにくい説明?だったら語彙力ください



「おー!めちゃんこでけぇ!それじゃあ、失礼しまーす!!」



疲れ切っていたため、誰か住んでるのではと考えもせず、玄関の引き戸を開けた



「・・・コケーシ・・・」



開けた途端、コケシがいた。うん、何言ってんだこいつとか思ってると思うけど、いるんだよ

しかも真正面に


ビビりすぎて声が出なかったわ、この野郎

とりあえず靴をぬぎ、コケシの横から廊下に上がる

少し埃が溜まっているが、掃いたらすぐに綺麗になりそうだ







暫く歩き回り、家の中を探検していると、首に冷たい感覚が走った



「お主・・・何者じゃ」



首に後ろから刀を突き付けられ、ピタッと止まった

なんてこったパンナコッタパンナコッタ!

とりあえず、さきほど決めた偽名を答えることにした



「い、和泉と申します・・・」


「和泉か・・・。ならば和泉よ、お主はまことに奇妙な服を着て居るが、南蛮のものか?」



え・・・、待ってそれの言い訳は考えてなかったわ。ヤベェ

とりあえず、拾いました的な感じで行くか



「実は、浜で落ちていたもののほつれを縫い直し、着ているのです。南蛮の者などではありません」


「ふむ・・・。そうか、悪いことをしたな、まだこんなにも幼いのに」



ん?幼い???



「あ、あの・・・。わ、じゃなくて某、何歳に見えますか・・・?」


「七つくらいだが?」



ん~?もしかして、若返った?

・・・ま、まあそれはいいか。別にあんま変わんなそうだし


そしてその人は鞘に刀を納めたのか、カチャリと音を立てた

私は振り返り、その人の顔に驚いた

工事現場とかにひとりはいる気のいいおっちゃんだ。親父とか、リーダーって呼びたくなる顔だ

なんて思っていると、その人は睨んできた



「・・・今、変なことを考えたか?」


「いいいいえ!!めっそうもありません!!!」



こっわ!考え見抜かれた、こっわ!!

その人はため息をついたあと、こっちを生暖かい目で見て名乗ってきた。おいこら、その目はやめれ



「わしは・・・晴だ。晴れとかいてはる、だ」


「は、はあ」


「なんじゃその返事は、もうちっとしっかりと言わぬか!」


「は、はい!!」


「はっはっはっ!そうだ!そう返事をするのだ!」



気をよくしたのか、笑いながら背中をバシンバシン叩いてくる

よくわからんけど痛いっす、多分赤くなってるからやめてけろ



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