エピローグ:幸せの青い花
私の好きな色が金色だと知ったレオポルド様は、私に黄色の衣装を贈ってくれた。
でも、この衣装は、屋敷内だけでしか着ていない。
社交には必ず青い衣装を身に着けていった。
ご婦人たちがその姿を求めていることを、理解していたから。
今日もご婦人たちは囁き合う。
「本日もいらっしゃったわ。ヴィヴィアンヌ様はいつ見ても愛らしいわね」
「公爵閣下が閉じ込めておきたくなるのも理解できますわ」
「間もなく挙式されるそうね」
「今となってはとてもお似合いの二人だわ。年齢差なんて大した問題ではないわね」
今日も紳士たちは囁き合う。
「ヴィヴィアンヌ嬢は日に日にお美しくなられる」
「本日も閣下はお忙しそうだ」
「あれでは目が離せませんからな」
「ああ、目に入れても痛くない」
「それは、孫だろう?彼女は妻だよ。目の中ではなく腕の中に入れたいが正しいだろう」
「間もなく挙式をされるそうだな」
「ああ、閣下も待ち遠しかったことだろう」
遠巻きではあるが、その囁きは肯定的なものがほとんどだった。
そこで知る、レオポルド様の愛が、今はなんだかこそばゆい。
「ヴィヴィアンヌ。挨拶も終わったことだし戻るかい?」
「もうよろしいんですか?」
「ああ、もう十分だろう。ほら、みなパートナーの元へ戻られているよ?」
「いつ見ても不思議です。私の青い衣装にそのような効果があるなんて……」
「ふっ。そうか、不思議か……。そうだな。このジンクスだけは、社交界に残してあげよう」
彼女はまだジンクスの真実を知らない。でもそれでいい。
彼女が社交界で愛されている。愛の象徴として。
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