─プロローグ─死、そして始まり
初投稿です。
ほぼ思いつきで書きました。至らぬ所ばかりでしょうが完結はさせるつもりですので何卒よろしくお願いしますm(_ _)m
平成最後の大晦日、都内の病院にて1人の男が脳梗塞で亡くなったことがなぜか報じられた。彼は有名人でもなく、当然名声なんてありゃしない、ごくごく普通のサラリーマンだ。彼の死が報じられた理由はその病因が過労によってのものであるからだ。彼の勤務する「タタミ」は飲食チェーン店で、毎日5時間の残業は当たり前、休日なんてものはない、いわゆるブラック企業である。彼の死について評論家は偉そうに
「もうね、異常ですよ。労基に訴えても何一つ対応してくれないんですから。何かしら策を講じるべきですよ。」
と話すが、本当にそう思ってんなら自分が動けばいいのに。何もかも見下して、呑気に自分の感想を述べてるだけじゃないか。そんなもん、幼稚園児にだってできるだろうに…。
『はぁー、こんなんじゃ彼も浮かばれんなぁ…。しゃあない、せめて別の世界でいい思いさせてやろうかのぉ…。』
~都内 ××病院 306号室~
この山本健志、我が生涯に一片の悔いなし!
なぁんて大嘘だ。むしろ悔いしかねぇよ。まだ32だし、結婚はおろか、女性とのお付き合いなんて1度もないし…。何より童貞のまま死ぬとはな…プライドなんて捨ててあの時、風俗に行っとけば良かったかな…。
はぁー、しかもなんで大晦日に死ぬの?平成最後なんだよ?年くらい越したかったし次の年号知りたかったよ…。ほんともう、人生もう1回やり直せないかな…。
『聞こえるか、人の子よ。』
うお!?なんか幻聴聴こえるんですけど!こっわ!なにこれこっわ!あー、ひょっとしてお迎えが来たのかなぁ…。そろそろ逝くのかなぁ…。
『幻聴なぞではないぞ、我はお前達の言う「神」だ。』
うぇ!?心の声聞こえてんの!?なにこいつ変態じゃん。
『ハッハッハ、神に向かって変態とは、随分と無礼な奴だな。』
うーん、こうなったら会話してみるか。
“なぜ俺に話しかけるんだ?”
『少なくとも「お迎え」ではないぞ?少し近いがな。我が貴様に話しかけるのは、このとてもとても慈悲深い神様が哀れで可哀想で愚かな貴様にチャンスをやろうと思ってな。』
うお、ちゃんと答えた。何もそこまで言う必要ないだろ…。まぁ確かに傍から見ればそうかもしれないけどさ…。ともかく、話を聞いてみるか。
“そのチャンスってのは一体なんなんだ?”
『そうだな、「新たな人生」を始める気はないか?それに、今なら特別に世界をも変え得る強大な力もあげてやらんこともないぞ?』
世界をも変え得る…?そんなものが有り得るものか、バカバカしい。第一、俺は神なんて端から信じていない。そもそも姿も見えない相手を信じること自体おかしいだろ。……ただ、「新たな人生」とやらは魅力的な話だ。これがもし本当なら、多少信じてみる価値はあるかもしれない。たとえ嘘でも俺は死ぬだけだ。信じることに何のデメリットもない、なら───
“よし、乗った。”
『うむ、精々頑張りたまえ、人の子よ。』
そんだけかよ。もっとなんか言うこともあるだろうに。
『そうそう、その力の使い道はお前に託すぞ。言っておくがかなり強力だ。正義に使うもよし、悪用するのもよし。全ては貴様にかかってる。』
『──頼んだぞ、人の子よ──』
その瞬間、俺は死んだ。
いよいよ、彼の異世界生活が始まります。
童貞神ヴァジナスの言葉を受けた山本健志(32)
彼の伝説はここから始まるのである。




