表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/65

Episode:04

「いや、そういう意味じゃなくて……ともかく任務で、年齢的にルーフェイアくらいの子がいるんだ」

「そうなんですか?」

 ようやく話が見えてきた。頭の中で整理してみる。


 シルファ先輩が学院から何か依頼を受けたのは、間違いなさそうだ。そしてその任務にはどうやら、子供?が必要らしい。

 それでシルファ先輩、あたしに話を振ってきたんだろう。もしかするとタシュア先輩が、名前を挙げたのかもしれない。


「嫌なら、ムリにとは言わない。他をあたるから」

「いいえ、かまいません」

 シルファ先輩から頼まれて、断る理由なんてない。


「――すまない。きっとお礼はするから」

「あ、じゃぁ、あの、ケーキが」

 つい、そう答える。でも以前食べた先輩の手作りケーキ、そのくらいおいしかった。


「なんだ、そんなものでいいのか?」

「はい。先輩のケーキ、とっても……おいしいです」

「おやおや、欲のないこと」

 タシュア先輩は呆れてるみたいだけど、あたしはお金よりもこっちのほうがいい。また食べられるかと思うと嬉しくなる。


「どんなケーキがいいんだ?」

「えっと、あたし、よく知らなくて……。でも、白いのがいいです」

「白いの……生クリームか?」

「え? ケーキって生なんですか?」


 あれ?

 先輩たちが沈黙しちゃった……??


「えぇと……ケーキが生なんじゃなくて、クリームが生なんだ」

 しばらく間を置いて、そうシルファ先輩が言う。

「生で食べて、平気なんですか?」

 おなか壊さないんだろうか?


――?

 なんかシルファ先輩、引き攣ってるような?

 それにタシュア先輩、露骨にまなざしが冷たい……??


 そして銀髪の先輩は一言。

「どうやら学院では、一般常識も教える必要があるみたいですね」

「……す、すみません」


 どうもあたし、世間一般からかけはなてれるらしい。

 もちろんこれじゃいけないと思って、いちおう勉強?はしてる。けど世間って奥が深くて、なかなか覚えられないでいた。

 やっぱりあたしあのまま、戦場にいたほうが良かったんだろうか?

 ため息が出る。


「――まぁ、少しづつ覚えれば大丈夫だろう。私も教えるから。

 ところで詳細を少し詰めたいから……場所を、移動したいんだが」

「あ、はい」

 シルファ先輩に慰められながら、あたしは一緒に食堂を出た。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ