Episode:29
◇Nattiess
もう、ルーフェイアったら嘘ばっかり。確かに新品ってわけじゃないけど、質のいいドレス、部屋いっぱいじゃない。
色もサイズもデザインも、すっごいたくさんあるの。よりどりみどりで迷っちゃう。
「〜〜♪」
思わずハミングしながら、物色したりして。
どうしようかなぁ? この水色のやつ、似合うかなぁ? ちょっと幾つか選んで、試着してみたり。
「あとはアクセかぁ。なくさないようにしなくちゃ」
「これ……あげるけど?」
うーん。ルーフェイア、マジお金持ち? かるーく「あげる」とか言ってるけど、どれもホンモノだし。
そんなこんなしながら、あたしたちみんなで着るもの選んだんだけど……。
「シルファ先輩……試着、しないんですか?」
そうなの。エレニア先輩は素敵なのをいくつか選んでるんだけど、シルファ先輩、見向きもしないの。
「いや、その、私は……」
しかも先輩、ルーフェイアに訊かれて、なんか困り顔だし。
「……お気に、召さなかったですか?」
「そうじゃないんだが……」
うーん、これってもしかして、シーモアと同じパターン……?
――よぉし♪
ちょいちょいっと手招きして、シーモアとミルを呼んでみて。ついでにエレニア先輩も。
「なに、どしたの?」
「うん、シルファ先輩、どんなドレスが似合うかなって」
「あの先輩、大人びてるからな……」
4人でドレスの間を移動しながら、選んでく。
「ねぇねぇ、これどうかな〜?」
「ねぇミル、先輩って瞳が紫だから、そういう色の方が似合うんじゃないかな?」
「そうしたら……これなんかどうかしら?」
「あ、エレニア先輩、センスいい〜♪」
結局あたしたちが選んだの、Aラインのドレス。上半身は藤色で綺麗な刺繍が入ってて、スカートの部分はもっと淡い薄紫。
オフショルダーになってて肩が出るから、きっと着たら素敵だろうな。
アクセサリーは……サファイアがいいのかな? 金じゃなくて銀色っぽいやつで。
「じゃぁこれ、先輩に」
「あ、待って」
ちょっとだけないしょ話。
「あのね……」
「……?」
「……♪」
「!」
「♪♪」
で、作戦会議終了♪
さて、いきますか?