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Episode:19

「大丈夫ですか?」

 さすがに心配になって訊いてみた。

 そしたら。

「お前たち、乱暴すぎるぞ……」


 こーゆー感想がくるとは、ちょっと思わなかったな。ドラマとかだったらこういうとき、「どうして私が」とか「君たちは無事か」って言うのに。

 だいいちこういう状況でまで、文句言うってどうかしてる。

 そんなこと考えながら手順どおり移動してたら、向こうから他の警備の人たちが駆けてきて、あたしたちを取り囲んだ。


「殿下、ご無事ですか?」

「見てのとおりだ」

 使用人に気弱なとことか、見せられないってことなのかな? さっきまでの様子はどこへやら、殿下がいつもの尊大さで答えて。


「屋敷へ戻る。車を用意してくれ。

 それから、シエラ学院から来た者たちも、一緒に戻ってもらう。そのように手配しろ」

 殿下の命令でみんな一斉に動き出して、あたしたち一階の、応接室みたいな立派な部屋へ通された。

「用意が出来るまで、こちらでお待ちいただけますか?」

「分かった」


 窓のそばにも、扉のそばにも、コワモテのおじさんたちが並ぶ。さっきのことがあったから、すごい警戒ぶりかも。

 殿下のほうはなんだか、深刻な顔。もしかしたらやっと、どれだけ危ないか分かったのかな。

 そこへルーフェイアたちが入ってきて、殿下が一瞥して。


「おまえたち、先ほどは痛かったぞ」

「も、申し訳ありません……」

 シルファ先輩が謝ってるの見て、また腹が立っちゃったり。


 そりゃぁ不発だったけど、もしあれがふつうに炸裂してたら、突っ立ってた殿下はあの世行き。シルファ先輩たちがカバーに入った状態だって、大ケガしたかもしれないし。もちろんそうなったら、先輩たちはケガじゃすまない。

 そういうこと、分かってるのかな?


「まぁ幸い、不発だったからな。だが次からはもっと――」

「不発ではありません」

 殿下の声を、エレニア先輩がさえぎった。


「そうですよね、先輩?」

「まぁ、そうだな。ルーフェイアの魔法がなければ、私たちもケガをしていただろう」

 視線がいっせいに、いちばん小さいルーフェイアへ集まる。


「何したの?」

 好奇心で訊いてみて。

「あのレア防御魔法、殿下に使ったのは、分かったけど。でも他に、ルーフェイアったら何かした?」

 けどルーフェイアったら答えない。「とんでもないことした」って表情で、半分落ち込んでうつむき加減なの。





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