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Episode:17

◇Nattiess

――なにあれ!

 これ、あたしの殿下とやらを見たときの、第一印象。


 何考えてるか知らないけど、あたしたちつかまえて「野蛮」だなんて。いったいどこに目がついてんだろう。

 けどそうかと言って、任務手抜きするわけにもいかないし。


 ただ任務自体はそれほど、難しくなかったのよね。24時間の警護だっていうから、もうちょっとハードかと思ってたんだけど、わりとたいしたことないの。

 朝起きてガッコ行って、あたしたち4人が同じクラスでまぁくっついてて、あとは帰ってきて周囲固めてるくらい。


 夜も3組2人で3時間づつ交代だから、思ったより楽。もっともいちばんヤな時間は、ルーフェイアとシルファ先輩が、買って出てくれたんだけど。

 それにしても授業、学院以上につまんないし。


――あらら。


 またルーフェイアが、お嬢さんたちにからまれてる。

 あたしたちもそうだったから、あんまり人のことは言えないんだけど。ともかくあの子って目立つせいか、どうもいじめられるみたい。


「シーモア、行こっか?」

「ああ」

 2人で席を立ってみて。

 行ってみるとお嬢さんたちが、なんやらかんやらルーフェイアを中傷してたの。しかも彼女ったら、優しいから言い返しもしないし。


「あんたたち、それっきゃすることないのかい?」

 こーゆー権力を嵩にきたようなことが大っ嫌いなシーモアが、いきなり辛辣な言葉をぶつけて。


「貴族だかなんだか知らないけど、ガッコの勉強もロクに出来ないくせに、エラぶるんじゃないよ」

「あらシーモア、頭が悪いからこういうことするのよ。お利口な人はこんな真似、しないでしょ?」


 あたしもこーゆーのキライだから、つい口調がきつくなっちゃう。

 けどほんと、この人たちバカなのよね〜。あたしたちがとっくの昔に終わったような内容で、頭ひねってるんだもん。

 ついでに言うと、体育なんかも呆れるほどダメだし。


「ど、どこの馬の骨ともわからない人に、そんな風に言われる筋合いありません」

「そうですわ。何より私たちは由緒ある、神聖アヴァン帝国から続く血筋なんです。いっしょにしないでください。

 だいいちあなたたち、まともなアヴァン語も使えないじゃないですか」

「それで?」


 お嬢さんたち、ほんっとバカ。シーモアがこんなので、動じるわけないじゃない。


「言葉が出来ればエライってんなら、どこぞの言語学者の方が上だろうね。

 血筋? それがどうしたのさ。2000年も遡りゃ、あんたたちだって馬の骨じゃないのかい?」


 うーん、いつ聞いてもさすが♪ このキレがいいのよね〜。

 ちなみにお嬢さんたち、絶句。

 ちょうどいいから、あたしも乗ってみたりして。





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