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泰皇国立皇統学院記 〜 一年目 夏 〜  作者: 都月 敬
3 日目
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16/17

昼_講義室


「……あ〜、なんとなく予想はしてましたよ、なんとなくね」


 大急ぎで昼食を掻き込み、校内中を走り回って。約束の時間ギリギリに講義室へ戻った碧流の目に入ったのは。

 先ほどと全く同じ姿勢で目を伏せている、朱真と青華の姿、だけだった。

 ちゃんと最善を尽くしたのかは、もうあえて聞くまい。あとはこの戦力で戦うのみだ。


「で、そいつらは使えるのか?」


 碧流の後ろに目を向けて、自分を棚に上げた質問をする朱真。

 態度はともかく、問われた碧流からしても当然の疑問だとは思う。

 そして正直、自信を持って頷けはしない。


「うっさい! しゃべんな! あんな美味しいお昼ごはんを隠してたヤツは死ね!!」


 いきなり噛みついたのは、そこで拾った紅兎。なぜか朱真に敵意丸出し。


「自信はないですけど、精一杯がんばります!」


 胸の前で両手を握る、昨日の謝礼代わりに借りてきた雪祈。


「使えるのか、って聞かれても、私もなんで来たのかよくわかってないんだけど」


 そして、小首を傾げる紫絡。


 以上、三名。

 この総勢六名、東西南北に孔族と流族まで加えたバラエティだけは豊かな陣容で、央香国軍皇太子隊の精鋭を相手にする、しかない。使えるとか使えないとかではなく。やるしかないんだ。ははは。


「目標は、何?」


 一通り、三名を見回してから、青華が口を開いた。

 目標。それはもちろん勝つことだけど、彼女が言っているのは、きっとそういう意味ではなく。

 朱真がニヤリと笑う。


「模擬戦とはいえ戦だ。なら、勝てばいい。せっかく、ルールまで決めてくれたんだしな」


 いい勝負なんて望まない、ということか。騙し討ちでも、反則勝ちでも、勝ちは勝ちだ。

 青華も一つ頷いて。


「なら、なんとかなる、か」


 青い瞳で、碧流を見た。

 碧流は、やっぱり頷くしかなかった。


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