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短編ホラー  作者: 荻波鶴


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2/7

村八分

【村八分】村の共同体の掟に背いた人などを、村全体で仲間外れにする慣習のこと。


昔の日本では、村八分にされた人でも、次の2つについては例外的に協力したとされている。

火事(1分):火災が起きた際の消火活動

葬式(1分):死者を弔い、葬儀を行うこと

残りの八分は、冠婚葬祭や生活上の共同作業などへの付き合いを断つことを指します。

つまり、付き合いの10割のうち、8割を絶ち、火事と葬式の2割だけは協力するという意味。



俺の住む村には村八分が残っていた。

隣人は祭りの不参加を理由に、ある日から回覧板や挨拶等を無視されるようになった。


隣人の家には「八」と書いた札が表札の横についていた。

俺はそれを何か聞いていないが、きっと村八分の意味なのだろうなと感じ取っていた。


年に1度の夏祭りはもちろん隣人は来ない。

ゴミ捨ても一苦労だそうで、隣村まで捨てに行くしかないのだそう。



じいさんが亡くなった時は、村八分の残りの二分で村人は手伝っていた。

普段は無視するのに、二分はちゃんと守る辺り、オンオフはしっかりと弁えているのだと感心した。


葬儀は滞りなく終わった。

参列者は少なかったが、誰もが神妙な顔で手を合わせていた。



時は経ち、隣人は村八分を解かれた。

代わりに別の家族が村八分となる。

今まで無視していたのが嘘のように隣人は輪に入っていた。



そんな中隣家で火事が起きた。

隣家・隣人と表現していても数十メートルは離れている。



村長が火柱を見ながら

「これで二分は完了した」

村八分と残りの二分の全てを合わせて、隣人の村十 分は完成した。


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