新しいクラス
「今年度も同じクラス!よかったぁ〜よろしくね!」
「あぁー…クラス離れちまった…」
「ねね、私3組出身!仲良くしてね!」
いつもにましてざわついている教室に4人はいる。
美月・ルナ・美愛の3人は中学の頃からの親友で一緒に空音学校に入るために受験勉強を頑張った仲だ。
もちろんその3人も同じクラスの喜びで騒いでいた。
中には大人しいのか緊張しているのか、それとも真面目なのか出席番号順で決められた席に座って静かにしている人もちらほら見える。
「あれ…あの子初めて見る。」
「あ、ほんとだ。何組出身だろうね?」
教室の1番後ろの窓側の席には騒がしい声を遮るようにイヤホンをつけ、本を読んでいる女子がいた。
その近くにいる人達はみな、その子を知らなくて首を傾げている。
美月達は席が前なのでそれに気づかずに相変わらずはしゃいでいた。
「あ!もしかして藤田美月ちゃん?そうだよね!!」
1人の女の子が、はしゃいでいる3人に話しかける。
小さくて小柄のイメージだけど話し方からして、明るくて元気な子という印象。
美月「そ、そうだよ…?」
急に話しかけられたこととその子の勢いと、自分は知らない子だったので曖昧な答え方になってしまう。
しかし、女の子はそれでも満足だったのか笑顔を向けるとわりと大きめな声で言った。
「やっぱり!!じゃあ太陽くんの彼女?そうだよね!!」
この子は語尾に゛そうだよね!!゛と付けるのが癖なのだろうか。
しかもなんてことを言うのだ…。大きい声でそんなこと…。教室にいる殆どの人がこちらを見る。
「あ、やっぱりあの2人付き合ってるの?」
「すごいお似合いだよね。」
と、小さい声で話しているのが聞こえる。
お似合いと言われるのは嬉しいが実際は付き合っていない。違うと言えばいいのだがみんなの前で…太陽もいるのにそんなことを言うのは、すごく辛い。
「すごくお似合いだと思う!!いつから付き合って…」
太陽「こーら。俺と美月は親友なの。付き合ってないよ。」
その子の声を遮ったのは太陽だった。
いつもの笑顔で、優しい口調でそう言う。
正しい…確かに正しいことを言っているのだがやっぱり胸が痛くなる。
ルナと美愛も気まずそうに私と太陽を見ている。
ルナ「で、でもぉ…ルナは2人を見て楽しそうだし付き合えばいいのになって思ってるよっ!」
美愛「うん…なんかお互い好きって感じ。」
2人がフォローしてくれる。
太陽「俺らは確かにお互い好きだけど、恋愛感情とかじゃなくて親友としてなんだ。だからお似合いなのは当たり前!」
ニカッと笑い平気でそう言うことを口にする。
゛恋愛感情じゃない゛。その言葉が頭の中でリピートされる。こんなの、辛すぎる。
教室内がまたざわつく。え、付き合ってなかったんだ。とか、そうだったのか。とか。
中には…よかった。という言葉も。
太陽はモテる。太陽を好きな子はたくさんいるが、親友という位置について近づかせない。
私はこの位置でいいって自分で決めたんだ…。
美月「私も太陽好きだよっ!けど付き合ってるとかじゃないの。」
海凪「え、そうだったんだ!ごめんね!そっか親友かぁ!
あ、私は海凪!風野海凪だよ!よろしくね!」
太陽と美月の言葉を聞いて一瞬固まったがまた笑顔に戻り、海凪はそう言い席に戻っていった。
美愛「美月…大丈夫?」
また教室がざわつき始めた頃に美愛とルナがやっと口を開く。
ルナ「ルナ、やっぱり美月と太陽には付き合ってほしい。」
美月「いいの。私が決めたことだから…!」
3人が微妙な空気になる。
この決断が後悔することになるのを知らずに、美月は笑顔でそう言った。
そしてチャイムが鳴り、みんな席についた。




