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Ideal Crossing 異世界で後輩ハーレム!?~かなんさん今何してんの?後輩と世界平和してる~  作者: 伝説の黒猫
第1章 水の都アイシクル~深まる謎~
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第1話 異世界ムシクムとテンプレ

異世界1日目です。

心地よい風が頬を撫でる。

目を開けると空には数え切れないほどの星が見える。

俺は上体を起こし、体を確認する。

異常はなさそうだ。

動くことも問題ない。

とりあえず持ち物を確認する

。あったのはスマホだけだった。

次に、周辺を見渡す。

辺りに広がるのは草原。

かなり遠くに一つだけ小さな家があるが、どこまでも続いているのではないかと思われる圧倒的な広さだ。

俺が倒れているならラウンジのはずなのにここはどこだろうかと思案していると、


「う…うーん……」


声が聞こえた。

俺が倒れていた少し後ろに可愛い少女が倒れて…ってあれは(あい)じゃないか!

俺は急いであいに駆け寄る。幸い外傷はないようだが、うなされているようだ。

何かあったら大変だし、病院か何かに連れて行ったほうがいいだろう。


俺はさっきの小さな家の人に助けてもらおうと思い、あいをお姫様抱っこした。


「よし、いけるな。筋トレの成果だ」


俺の身長は高いほうではなく細身なので決して楽ではないが、後輩のためなら楽勝だぜ!


その家までたどり着いたが、よく見ると生活感がまるでない。

風情のある森の家といったかんじだろうか。

誰もいないのではないかと不安に駆られていると、不意に扉が開いた。

中から、はっきりとした顔立ちの美少女が出てきた。

年下に見えるがどうなのだろう。俺が見惚れていると少女はこちらに気付き、


「何か御用ですか?」

「あ、この子が起きなくて…」

「え?」


と驚いた声を出す。

俺が理由を話そうとすると彼女が、


「私が介抱するので中のベッドに寝かせて下さい!」

「わかった。ありがとう」


とりあえず礼を言って、あいをベッドに寝かせる。

そこからは彼女と協力してあいを看病する。

役割を分け、俺は近くの井戸から水を汲んでくる。

2度行き、一つは、彼女に渡してもう一つはあいのベッドの横に置く。

その間に彼女はあいの熱を測り、濡らしたタオルをあいの額の上に乗せる。

2人で着々と進めていく。


一段落つき、あいの手を握って側にいると彼女がやってきて言った。


「その子はどうやら強いショックによって一時的に気を失っているようですね。明日には気がつくと思いますよ」

「そうなんだ。ありがとう」

「ところで質問がいくつかあります。いまさら感はありますが、あなたはどこのどなたですか?」

「俺はかなん。そして、この子はあいっていうんだ。助けてくれてありがとう。」

「いえ。では、かなんさん。あいさんが受けたショックに心当たりはありますか?まるで、禁断の秘術である転移…」


急に彼女の声が小さくなり、後半が聞き取れなかった。

転移って聞こえたけど、やはりどこか遠くに飛ばされてしまったのだろうか?

アルプスとかだろうか。

まさかドッキリでしたーみたいな?

ないな。

はぁ、現実逃避はやめよう。


「あ、えーと、名前は?」

「ナナです」

「ナナさん。実は…」


と今までの経緯―この世界の人間ではないこと。

友達に突然殴られたのに、気が付くとここの近くの平原に倒れていたこと。

愛が目を覚まさないので、見えたこの家に助けを求めようと思ったこと―をナナさんに話した。


「そんな話を信じろと言うんですか?」

「真実だから」


空気が少し険悪になる。うーん。女子と喋るのあんまり得意じゃないんだよなー。


「まぁ、いったんいいでしょう。これは何ですか」

「あ、スマホ」

「すまほ?聞いたことがありませんね。やはり攻撃用の星宝具なんじゃ」

「あー違う違う。それは遠くの人と連絡を取ったりするもので]


俺はスマホを操作してみせる。

圏外なのでほとんどの機能やアプリは使えなかったが。


「すごい!!私にもやらせてください!」

「はい」

「すごい。詳しく調べても?」

「どうぞどうぞ」


ナナさんの手が光る。何かしているようだ。

すると、スマホ自体が光り始める。何かが表示される。



**************************

名前:ナナ Lv.3 学生

HP:40/40

MP:280/320

精神安定度 :C

魔法適正値 :A+

聴音可能度 :B−

音楽理論基 :D+

楽器技巧力 :A+

物理防御力 :E

属性耐性 総合評価 D

火:20 水:30 風:15 光:10 闇:10

アビリティ

《精査》《魔法》《魅了(極小)》《高音》《持ち替え》

**************************



「これは私のステータス?…なるほど、これに魔力を流すと魔力を流し込むとその魔力のもともとの持ち主のステータスが表示されるのですね。あ、レベルが3になってるっ!!」

「レベル3って高いの?」

「そんなことも知らないんですか。っっ!これはなんですか!?」


スマホの画面には俺が飼っている猫の写真が背景に設定されているので写っている。


「猫だけど」

「ねこというのですか?このかわいい生き物は!どうやらあなたの言っていることは本当の様ですね。この子を飼っている人で悪い人なんているわけありません!」


ともかくナナさんは信じてくれたようだ。猫を知らないのだろうか。猫を知らないなんて人生10割、損している。というか、成り行きが不安でしかないけど…


「それで、レベルの話は?」

「うぅ…ねこ……あぁ、そうでした。レベル5は現在、7人いると言われていて、各国の王たちや賢者がそれに当たります。この世界の総人口は1000万人ばかりと言われていますがそのうちレベル4は100人ほどでレベル3も10000人ほどしかいないと言われています。」

「おぉ!すごいな!」

「気づくの遅すぎです」


改めてステータスを見る。

なんか「魅了」とかいう謎のアビリティあるんですけど。


「ん?魔法?魔法があったりする?」

「それは当然じゃないですか。この世界は音が紡ぎ出す魔法の世界ムシクムなんですから」


ムシクム,魔法のある世界か。

いけるな。

ただ、魔法が使えない俺のステータスは確認できそうにない…そもそも、本来ならばステータスを確認する方法自体がほとんどないらしい。

高価な星宝具などを使用するとか。


その後は、俺はナナさんと話してこの世界の情報をいろいろと教えてもらった。


「この世界に来たばかりで寝るところないですよね。今日は家に泊まっていって下さい。隣の部屋にいるのでなにかあったら呼んでくださいね。あと、お風呂も使ってください。私はもう入ったので」

「ありがとう」


彼女は少し微笑んでから部屋から出て行く。

かわいいな。。。

惚れちゃうだろ。


俺は、お風呂に行く。

湯船につかりながら、魔法が使えるようになっていないか確認をする。

ま、使えるようになってないか。

お風呂からあがった後、あいのいる部屋に戻り、一人でこれまでのことを考え始める。


分かったことは5つ。

せっかくスマホが使えることなので、重要そうなことをスマホ(魔法を流し込むと充電される仕様になったようだ。なんとご都合主義)のメモアプリに書いておくことにした。

簡単にまとめておく。


1.ここは俺たちの世界とは違うところらしいということ

2.この世界には魔法があるということ

3.いくつかの点は、日本とおなじらしいということ

4.この世界は5つの大国がそれぞれ領土を支配していること(いま、俺たちがいるところは水の国の領土

らしい)

5.おそらく日本に戻るには転移魔法を使うしかないが、転移魔法は使えるものがおらず、詳しく知っているのはどこにいるか分からない賢者だけだということ


まだ何をしたらいいかわからないな。

というか賢者って誰だよ!

あ、それとナナさん可愛かったなぁ。

まぁ結論としては、この世界でなにしたらいいかわからないけど生きて後輩といれるだけで幸福。

そこで思考を戻す。


「賢者か。賢者と言われるとあいつを思い出すな。バンドの練習もしないとなぁ。」


バンドのメンバーを思い浮かべる。

俺は部活とは別に、バンドも組んでいる。

文化祭で発表する予定だ。

今となってはできるかどうかわからないが。


メンバーは、リーダーでベースの清剛せいご、ドラムの啓吾けいご、ギターの将吾しょうご直輝なおき、ボーカルの俺だ。ちなみに啓吾と将吾は双子だ。

そこそこ人気もあって、去年の文化祭のグランプリ投票では1位を獲得した。


その中で、将吾しょうごは賢者と呼ばれている。

実際、なぜ賢者なのかは知らないのだが。

清剛せいごいわくは行動が賢者だからだと言っていた。

どういうことなんだろう。

あー、のぼせそう。そろそろ上がるか。

少し長風呂し過ぎた。


俺は部屋に戻り床に横になる。(ベッドはあいがつかっているからな、後輩のためだったらどこだって寝られるぜ!)


寝る前に、俺は一つだけ決意する。

『俺があいを守る!!』よし、そろそろ寝るか。


俺はそこで初めていまさらながらに気づく。

あれ?俺、異世界にきちゃったぁぁぁ⁉

あのねあのね、テンプレって大事だよね!


テンプレって書きたかっただけなのでテンプレ要素薄いかもしれません。ごめんなさい。

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