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悪役令嬢は、恋だけがわからない

作者:dorago
最新エピソード掲載日:2026/10/07
悪役令嬢は、恋だけがわからない』

「私との婚約を、解消していただけませんか?」

十八歳の公爵令嬢、アリアナ・フォン・ヴァレンティア。

政治、経済、外交、法律――何をやらせても完璧。
王太子レオンハルトの婚約者としても非の打ち所がなく、周囲からは「冷酷な悪役令嬢」と恐れられている。

けれど、本当の彼女は誰よりも優しい。

困っている侍女にはさりげなく手を差し伸べ、婚約者の好物を覚え、誰よりもレオンハルトのことを気にかけている。

ただ一つだけ。

アリアナには、どうしても分からないことがあった。

――自分が、レオンハルトに愛されているということが。

幼い頃からずっと自分を大切にしてくれる彼。
自分の意見を誰よりも尊重してくれる彼。
自分にだけ見せる、柔らかな笑顔。

けれどアリアナは、それをすべて「婚約者だから当然のこと」だと思っていた。

そしてある日、彼女は思う。

「殿下には、私よりもっと相応しい女性がいるはず」

愛する人の幸せのためなら、身を引くべきだ。

そう決意したアリアナが告げたのは――

「殿下。私との婚約を、解消していただけませんか?」

しかし。

「……嫌だ」

返ってきたのは、まさかの拒絶だった。

「なぜ私が、君を手放さなければならない?」

完璧な王太子が、初めて余裕を失う。

実はレオンハルトは、幼い頃からずっとアリアナだけを愛していた。

彼女が自分を好きだと、当然のように思っていたのだ。

――なのに、本人だけが気づいていない。

天才なのに恋だけは鈍感な令嬢と、
彼女を溺愛してやまない王太子。

すれ違っていた二人の恋が、今ようやく動き出す。

「私は、君との婚約を終わらせるつもりなどない」

これは、
「愛されていること」に気づけなかった少女が、
自分の恋と幸せを見つける物語。
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