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286/310

10/13 キチゲ


「夜が三下り半かけた時、由緒は先天的に甲。


聞いていますか?

私たちが揺らいだ時、コンキスタドールの神聖性は失われたのを知っていますか?


空も海も空までも我が物としたとして、最後まで思い通りに行かなかったことが私達自身だなんて、滑稽な物ですね。


それはニヒリズムの一環です。いわゆる所の、部分論的虚無主義に近しい。


肉体の在処はその時その座標に特定の果が寄り集まっているだけで、本質的に空間の様相は変わっていない。


身体が移動したとしても、空間そのものが身体の存在によって本質的に変化したとは言えないわけです。


私たちは複数の重なりあいです。

4次元的に考えるのであれば、私たちは縦横の他にも時間の矢印に沿って絶えず伸び続けている。


成長は20代で止まりましたが、私達の肉体は絶えず、毎秒時間軸に沿って増幅されている。


よかったですね。

55kgの質量も、1コンマ秒で数えれば365,070,420,000kgです。」


「私が太ってるって言いたいんですか!?」


「3.6億トンですからね…今AIに聞いたんですが、質量的には『ギザの大ピラミッド約60基分』らしいですよ。人類史に残るデブです。よかったですね。あなたを支える地面が壮健で。」


「すみません。

私は小説を後ろから読むタイプで……。

ゴールを知ってると安心できるんです。

あと、途中の知らないページの知らない文言と知らない人が喋ってるシーンを一回だけ読む前に見ちゃいます。いろいろあってそのページに辿り着いた時、ちょっとした伏線回収みたいなのに面白さを感じるんです。そんな物ないのに。」


「私たちは誰の呼吸で食べていると思いますか?

植物さんへの感謝はありますか?

平然と生きている呼吸器系の生物を私は嫌悪します。自分の分は自分で回収するべきなんです。植物さんのように!」


「最近頭の中でずっとこけしが横揺れしてるんです。何を数えてるんですか?って挨拶がてら聞いたんですが、『クリック回数』としか答えてくれなくて……。これって私の事が好きって事ですかね?そうでなければ、撃ち抜いてください。」


「ばん!」


銃声が鳴り響いた。


「最近知ったんですが、ホラーとかで時計の音がよくフォーカスされるのは、普通の心臓の鼓動より若干早くて、緊張感を醸し易いかららしいです。」


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