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9/12 ああびんぼうびんぼう
Tropicanaのりんご紙パックより、オレンジ紙パックの値札の方が80円ほど高い事に伸びていた手が止まる。
当時として私が飲みたかったのはオレンジの方だったゆえに、頭の中で数度の損得計算がなされる。
コンビニの棚の前で5秒ほど立ち尽くした末、私の指はりんご紙パックでもオレンジ紙パックでもなく「Tropicana 1日分のマルチビタミン 薫るオレンジブレンド」に行き着いた。
背中に「アザマシター」と店員の声を受けながら駐車場で「薫るオレンジブレンド」を飲み、この場で消費しきれる量でない事に気づいて家までの道のりを歩み始めた。
歩くうち、左ポケットの、軽くなった財布に意識がいく。
いや、実際は払ったのは紙幣だったし、帰ってきたのは硬貨だったので重量的には確実に重みが増えているのだが心情的に軽くなった財布に意識がいく。
1万7千円。
1万7千円。
昼間「ガス供給停止予定日」と赤字で届いたメールを思い出す。
朝風呂に入ってから夕方に帰ってくるまで給湯器がつきっぱなしだった何度かの日を思い出す。
あぁびんぼうびんぼう
1万7千円。
このトロピカーナ味薄いな。




