190/244
7/9 時候
他人の半分の時間で今日まで歩んできた身分としては、7月のめくりめく速さにただただ慄くほかない。
というかそもそも、7月というのを理解できない。
7月とはなんだ。夏か。
やはりつい最近まで妙に涼しかったのが認知の妨げになっているように感じる。
今日の昼頃キャンパスを出た時、あのむわっとくる熱気と水の焦げる匂い、強烈に印象づけられた夏という感覚に臓腑が焼かれるような思いをした事を思い出す。
肌の内と外で同時に熱が循環する感覚。
夏
絶望。
夏の何が良いのか
いや、夏という季節に対して色々思うところはあるが、冬に対してあれほどの愚痴を紡いだ身としてあまり多くの悪口は言えない。
……いや夏の何が良いのか。
夏とか誰に好かれてるのか。
半袖にすれば炭火の上で踊る焼肉たちの思いを知り、長袖になれば蓋の内でのたうつハンバーグの思いを知る。
肌はべちゃべちゃ、洗濯物は嵩張り、かと思えば加減の知らないエアコンに身震いする。
そこはかとなく便りのない身を抱え、救いのない世を歩く。
地獄か
夏
7月である。




