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4/19 忍び寄る
人知れず日常に忍び寄る影とは、得てしてその要因を探るのが困難である。
それは決まって、忙しさの切れ目に顔を出す。何かを終え、少しだけ気が緩んだとき、ふと視界の端に引っかかるような違和感として。
寸前までその存在を認知することはできない。
未知はどこまで行っても未知であり、認識によってそれを書き換えられなければ、或いはそれらを大衆の面前に大々的に晒すまでは、それが在るものとして私の世界に存在することはない。
毒のように私の周囲を蝕み、広がり、どうしようもなくなったタイミングで顕在するそれは、何時だって1番来てほしくないタイミングを狙い澄ます。
ワイシャツの背中に広がった薄暗いシミは、深夜23時にしてその姿を私の面前に晒したのだった。




