国王軍がやってきた
国王軍は強者ぞろいです。
国王軍が第二都市にやってきたのは僕たちがダンジョン攻略を始めて数日が経過したときだった。
戦いは第二都市の西。僕たちが潜っているダンジョンの周辺で始まった。
「せいゃ!」
国王軍の重装隊長ドゥングルが岩石のグレイトソードをシレンに振り下ろす。
「あいゃっ!」
シレンは短剣で受け流す。
「ほう。シレンと言ったか。俺の一撃を受け流すとはたいしたものよ」
ドゥングルは不敵な笑みを浮かべた。
「わたしを気に入ったアルか? あいにくだけどあんたとの闘いは相性悪いアルね」
そう言うとシレンはドゥングルに背中を向けて駆け出した。
「逃がすか!!」
ドゥングルがグレイトソードをシレンの背中に投げつける。
切っ先がシレンの背中に届く寸前、シレンはとんぼ返りでグレイトソードの上に飛び乗った。
「さよならアルよー」
シレンはそのままグレイトソードに乗って飛び去って行く。
「嘘だろ」
ドゥングルは唖然として見送った。
「チッ。武器を手放しちまった。素手で行くか」
ドゥングルが拳を握りしめたとき、グラビスがドングルのグレイトソードを手にして歩いてきた。
「お前ふられちちまったな。どうだ俺とつき合わないか」
グラビスはドングルの足元にグレイトソードを投げて言った。
「そうだな。おまえとなら気が合いそうだ」
ドングルは笑みを浮かべると拾い上げたグレイトソードを構えた。
「大丈夫? シレン」
坂田君がシレンに駆けつけて言った。
「あいやー。軽量級と重量級の闘いになったアルよ」
「超が付くほどのな」
黒出流先輩もやってきて言う。
「勝てるけど三日はかかるアル」
シレンは残念そうだ。
「先輩。グラビスは大丈夫ですか」
坂田君が黒出流先輩に尋ねる。
「決まってるだろ。あいつは負けねえよ」
視線の先でグラビスがドングルを蹴り飛ばしていた。
「それよりもレビスだな」
遠くでレビスは二人を相手に戦っていた。
杖から放たれる炎の壁を切り裂き、飛び込んできた敵の刃を受け止める。
「剣士と魔法使いの連携か。どちらも団長クラスだな。ちょっくら手伝ってくるわ」
黒出流先輩がそう言うと、襟元のブローチが光り、坂田君の前から姿を消す。
レビスの元に現れた黒出流先輩が何かを投げて渡すとレビスの速度が跳ね上がった。
加速のアイテムだ。
「飛行兵団は圧勝アルね。坂田君のおかげアルよ」
シレンは手をかざして空を見上げた。
ワイバーンに騎乗して空を飛ぶ国王飛行隊の前にルーメン神聖軍の飛行兵団が待ちかまえている。
「何なんだあいつら。ドラゴンに乗ってるのか。こりゃかなわねーな」
国王軍の飛行隊長はさっと手を振って「退却」と号令を発した。
ワイバーンは大空を旋回して西に帰って行く。
「ふん。フレル飛行隊長め。本当に自由人よの。戦わずして逃げおったか」
空を見上げた格闘隊長ベルグは僕たちルーメン神聖軍数十人を相手にしながら呟いた。
「あのおっさん強いアル。わたし行くアルね」
シレンは坂田君にぞう告げると髪飾りが輝きベルグの前に瞬間移動した。
二人の戦いが始まる。
「さて、強い敵は団長達に任せて僕は雑魚の相手をするか」
坂田君が言うと、国王軍の兵士達の前に次々とモンスターが現れる。
「取りあえずゴーレム三百体。ストーンジアイアント三百体。砂の魔神四百体。もし足りなければおかわりいくらでも有るからね」
国王軍の兵士達はなすすべが無い。
「おいセイズ。お前の魔力の杖どうなっちまったんだ」
「スエルこそどうしたんだその剣は」
魔法の杖と剣士の剣が突然しゃべり出したのだ。
「ほんとスエルったらよ。俺を二回も刃こぼれさせたんだぜ。しかもそのまま一月も使い続けるんだ。全く人使い荒いぜ」
「セイズも似たものさ。この間なんてよ。俺でモンスターの頭をぶった叩いたんだぜ。俺は棍棒じゃねーちゅうの」
杖と剣がしきりにおしゃべりをしている。
「どうだいレビス。俺の作ったマジックアイテムおしゃべり君。奴ら戦いにくそうだろ」
黒出流先輩は次々とマジックアイテムを作ってはレビスをサポートしている。
「ありがとう光君。この効果も戦いやすいね」
そう言ってレビスは一気に踏み込み敵二人を圧倒する。
「くそっ。あの反則アイテム使いを倒さねえと」
魔法の杖から黒出流めがけて炎が撃ち出されるが炎は瞬時にキラキラとした火花に変わり消えてしまう。
「俺、全攻撃無効化アイテム持ってるから意味ねーよ。てか、俺に向けられる攻撃はリードタイムゼロでキャンセルされるぜ」
敵二人は何だそれはと唖然とした。
そんな戦いのさなか突然、圧倒的な威圧感が戦場を支配した。
「おっ。いよいよだな」
「そうね。いよいよだね」
黒出流先輩とレビスは笑みを交わす。
「よしっ。いよいよだ。先輩」
坂田君は嬉しそうにダンジョンを見つめてつぶやいた。
この圧倒的な威圧感は僕たちが潜っているダンジョンからだ。
ダンジョンを中心に広がる威圧感は国王軍を押しつぶした。
まるで空気が鉛と化して全身を押さえ付けるかのように。
兵士達は皆、地に伏して身動き出来ない。
隊長ですら地に片膝を付き恐るべき威圧感に打ちのめされるのを必死に堪えていた。
「クッ。何なんだこの威圧感は。あのダンジョンからか」
片膝を付き両手で地面にグレイトソードを突き立てて体を支えるドゥングルが苦しげに声を絞り出す。
「そうさ。あのダンジョンだよ。今からおれ達の強力な仲間が登場するぜ」
グラビスは誇らしげに答えた。
「この威圧感。まさか魔王。魔王が潜んでおるのか」
片膝を付いたベルグが絶望的な表情を浮かべて声を吐き出した。
「違うアルね。わたし達のクラスメイト、アルね」
シレンの言葉にベルグは何だそれはと驚きの表情を浮かべた。
威圧感が極限まで高まった次の瞬間ダンジョンが爆発した。
強烈なエネルギーが生み出す巨大な光の柱がダンジョンを地から天まで貫いた。
ダンジョンは消し飛び、あとには巨大で何処までも深い大穴が生み出された。
音音:「先生、先生。ルーメン神聖軍の団長は何人居るんですか?」
吉田先生:「46人ですよ」
音音:「国王軍の隊長は何人ですか?」
吉田先生:「5人ですよ。本編で全員登場しました」
音音:「たった5人ならルーメン神聖軍の圧勝ですね」
吉田先生:「圧勝です。兵団がどんどん増えて46兵団まで膨らみました。これからも増えるかも知れませんね」
黒出流:「兵団長が46人か。殆どのキャラが登場出来ていないのは多過ぎるからだな」
出番の無い兵団長達:「我等に出番を」(プラカードを掲げる)
黒宮:「そう言えば今回はミニリスとウルルスが出てないわね。レギュラーから外れたのかしら」
ミニリス&ウルルス:ガーン
吉田先生:「違いますよ。ミニリスとウルルスは今、ルーメン神聖都に潜んでゲリラ活動をもくろんでいる者達をインフィニティ率いる少年少女探偵団と協力してあぶり出しいる最中ですよ」
黒出流:「そう。干されたわけじゃないのね」
吉田先生:「これからも出番は有りますよ」
ミニリス&ウルルス:ホッ




