033『LIVE』『自動舞踏』『チェンバロ/ハープシコード』『最適化/自動化/永遠化』
私――たちは球体ホログラムでのLIVE体験が終わった――。実際にLIVE体験しているかのようなリアルな感覚が味わえるのだ――。
演者の反応も体験する度に変化する。
各々が感想を喋りかけようとしたその瞬間――。
(((((((『ScLIVE』)))))))
そこにいた全員がそう聴こえた――。
「「「ScLIVE?」」」
幾人かがそう繰り返す。
「「「好きLIVE?」」」
幾人かはそうも聴こえたらしい。
「何のLIVEでしょうね」
シフォン/ハロが言った。
「聴いたことないですね」
ココ/?が応えた。
《現時点でのScLIVE座標は曖昧――まだ結晶化していないようです》
『ガイダンス』はここにいる『クラン』メンバーにそう『シェア/共有』された。
すると、私――は突然身体が動き出す。
『自動舞踏』モード発動である。
正座をしていた私――は正面方向に対し左半身を前に、左腕を顔の高さで伸ばしながら人差し指で前の方を指し――そのまま手首を反時計回りでくるくる回した。
しばらくして手首を上下に振り――右腕を上げて肘はL字くらいで――手は頭の高さくらいこちらも手首をくるくるまわしたり上下にふりながら、左手左腕と連動した――。
その後も特に上半身を中心に動いた――。呼吸も音として発せられた。『Soundボイス』だ。これらは数分の間のことだった。
それらも起因あるいは相関のひとつとなって、この世界と同じ世界線――なのかは不明だが、ある『ギルド』――おそらくScLIVE関連のギルドの『最適化』が促進されたのだった――。
私――は『最適化/自動化/永遠化』というフレーズが頭に浮かんで、やがてハートに溶けあったのだった――。
その後にそのギルドのみならず――『ギルドネットワークス』全体も同様の現象が起こったようだった――。
私のこのパフォーマンスのような――シャーマニックダンスのような――ネイティブダンスともオプティマイズダンス《最適化》ともいえるその現象――私――ひいてはクランの真骨頂だった――。
他クランメンもSync/同期し、動いたり踊ったり何らかの現象が起こるのだ。
同じ空間にいなくてもひいては同じ時間にいなくても――。私たちは共生連結体なのだ――。
クランよりさらに広範囲になるとSync/同期される『エクスファミリア』になるのだった。
今回、ソファ/Oは何もない空間から変わった形のした『鍵盤』のような――黒鍵がピンク色の楽器を出現させた。ソファ仕様なのだ。
ピアノの前身である『チェンバロ別名ハープシコード』は、ピアノの黒鍵が白く、白鍵が黒くなっていた――。
私たちはチェンバロ/ハープシコードの音色を好んでいた。
そしてその黒よりも黒く感じられる漆黒に――きらびやかな金色の装飾が施されているその風貌は――優美で荘厳さも兼ね揃えているかのようだった――。
チェン/ハプの原理はピアノと異なり、弦をひっかいて発音させる撥弦楽器。強弱もなく一定の音量しか出せない。しかしながら味わい深い――。
それをイタリアのチェンバロ製作者クリストフォリが1709年にハンマーで弦を叩いて音を出す方法を試みた――。
タッチ加減で音の強弱がつけられるようになったのだ。やるなクリストフォリ――。名前もかっこいいじゃないか――。クリストフォリ。なぁクリストフォリ。
新しい打弦楽器、それが今日ピアノと呼ばれている――。
ソファは――私――とSync/同期し――鍵盤を奏で始めていた。




