020フリースペース創造『風姿花伝』『離見の見』⇆SSSポテンシャルいつどこでもセッション座標設定
「つまりギフトする方される方、ふたつでひとつでシェアなのよね」
私――はひとりごちていた。
(そこに優劣はない――。主客同一というか……インラケチというか……『離見の見』なのか――)
離見の見とは――記憶が確かならば『能』で名高い世阿弥が著した『風姿花伝』に記されていた――一種の秘伝。
舞台で踊りつつ――その姿を観客の視点から観ている感覚――クオリア――なのだ。
《ユニークスキル『離見の見』を体得しています》
「お……おぅ……」
ちょっとだけ久々に聴こえた『ガイダンス』の声――その内容はいつもとちがっていた――。きっと寂しかったのだ――。
『インラケチ』はメキシコかアステカか忘れたが――あーマヤかな――。どこぞやの言葉、ネイティブアメリカン?まぁいい……。
うん――マヤだとおもう――意味は「私はあなた――あなたは私」という一見――水戸黄門ばりにお色気お風呂シーンがあり――公園に土管が置かれた――空想型お茶の間国民的アニメ――。
――に登場する最高権力者の人生哲学とも言える「オ前ノモノハ俺ノモノ。俺ノモノモ俺ノモノ」に近いように映るが――ノモノモすこし違う。ノモノモケモミミ――。おっと!
ダメダ眼鏡のモノも歌ヘタ選手権のモノであり、歌ヘタ選手権のモノもダメダ眼鏡のモノ――それがインラケチなのだ。
ちなみに世阿弥は興行的にも成功していた――。それらのことも記された秘伝の書。それが風姿花伝なのだ――。
「お能の始まりの、舞台へと――橋掛かりを歩くシーン。あそこにすべてが詰まってる気がするわ――美しい――」
お芝居でもただ歩くシーンは、非常に難しいとされているのだった――。
実際、すべてが詰まってるかはさておき――その幽玄とゆっくりと歩く様は、ユニークスキル『自動歩行』そのものであった――。
なお、橋掛かりは歌舞伎の花道の原型とされている――。
「「そう《YES》ね」」
どうやらニックとOとガイダンスもわかっているようだ。
シェリーとソファは――楽器演奏の他にも――踊りを嗜んでいた――。
そうして3人は『球体型魔法陣』アルゴリズムをイメージしつつ、球体の形をした無重力空間――フリースペース――をつくりだした。今はその中心にいる。
まずは従来のライブ形式――。中心――中央で演者がセッションし、その四方八方放射状に観客聴衆が位置取られる――。『適宜適材適所』が適用される。
続いては即興――インプロビゼーションライブ――。基本的にはアフリカンスタイル――中央で演者がセッション――パフォーマンスをし、その回りで観客かつ聴衆が観聴いたり、踊り歌ったり、その観客たちも今度は中央と入れ替わる。
このスタイルの場合は演者と観聴衆に境目がなくなる――。例え、中央でパフォーマンスしなくても皆、参加者になる。
そして『⇆SSSポテンシャル』も適用される為、より『最適神秘解』に近づいていく――。
尚、壁の音響は――その瞬間に最適化され――素材――形状が変化する。これは身体を変化させるメタスキル『身体解放』と同系統のメタスキル『物質解放』によって可能になった。
つまり順次最適化され続ける音響でライブが可能だ。
ここは亜空間――仮想空間なので、球体ホログラムを使って、⇆SSSポテンシャル同士による――いつどこでもセッション会場をここに設置することにした――。
《座標が設置されました》
ガイダンスの声色は――どこか嬉しそうな感じがした――。




