みんなで過ごす旅行の夜
「えっ、重大発表?」驚く一同をよそにスーは頷き話を続けた。
「実は僕」スーのその言葉を聞き、あまりに緊張したサーがスーの話を止める「待って、本当に重大じゃないだろうね?」(重大と、言っておるだろうが)サーの頭を色んな想像が巡る。
重大発表··何だろう?
まさか、どっか遠くに行っちゃうとか?それか実はケツに顔があったとか?
まっ、まさか、既に既婚者だったとか?(それなら今まではなんだったんじゃ)ヒョエエーーッ。
「まあ重大発表と言っても自分事で、みんなにはどうでもいい事かも知れないけど、実は僕去年で仕事辞めました」
子供達は少しホッとした「な〜んだ良かった〜仕事辞めたとかで、スーが転勤とか引っ越しちゃうのかと思った」冬馬君が言った。
「もうスーに会えなくなると思ったよ」大喜も続ける。
その時サーはこんな事を思ったと言われる。
羨ますぃ〜〜〜てことは、この旅行終わってもスーパーフリーマン?なら今のスーの開放感はどんなじゃ?僕の夢、働かないで生きるを実践しとる!!
うわぁ〜〜良いなぁ〜 サーの瞳が輝く。だけど、スーなりにこの先の不安とか色んな事を考えてるのかも知れない、露天風呂で見せたあの表情はそういう気持ちのあらわれだったのか。サーはそんな事も思う。
それに、何だか水くさいじゃないか友よ、初めから相談してくれても大丈夫だったのに。いや、待てよここまで自分一人で決断しなきゃ意味ないと思ったのやも知れん、などと色んな考えがサーの小さな頭を巡る。ぴゅるるるる〜〜
「この先どうするの?」と、きみ子
「今はまだ何も考えてないんだ、これから考える」
「そっか新しい一歩が始まるんだね、応援するよ」子供達が言った。
「みんなありがとう」
[僕にもなんでも相談してよ」と、サー。
「新年祝い祭り〜」多網がジュースの入ったグラスをかかげる。
「しゃ〜〜乾杯〜〜っ」みんなで過ごす旅先の宴はまだまだ終わらない。
「でも面白いもんだね、仕事行かないで良くなって最高かと言われると、実際これからどうしようとか、お金とか色々不安とかも出てくるよ」スーが言った。「自分の理想通りの状況とかになったら幸せなのかと言われると、ただそう言う訳でもないんだね」スーの言葉に皆は考える「幸せってなんだろう?」と。
もし、こうなったら幸せだって万人に絶対に確実なものがあるのなら、その出来事の反応は全ての人間が絶対に同じになるはずである。
だけど実際にそんな出来事はなく反応は皆それぞれ違うだろう。
お金があったら幸せと言う人も居れば、お金があっても不幸な人もいる、結婚出来たら幸せ、結婚して不幸になった、結局幸せって自分の見かた、感じ方次第なのかも知れない。
その出来事は幸せなことだと考えてる自分のものの見方なのやも。そんな事を言うと、つまらなく聞こえるかも知れないが、でもそれって出来事に関係なく、理由もなしに幸せになれる、幸せになっていいと言うことではないだろうか。
自分が幸せになるのに、その出来事や理由が必要な訳でもない、そう考えると、幸せになるのに必要だと思ってるその条件や理由を取っ払ってしまって理由なしに幸せになっちゃおうぜ〜と、どっかの誰かが思った(誰だよ?笑)話は戻る(笑)
時刻は深夜三時になろうとしている。
「明日もまだ泊まれるし最高だね」ニンマリ冬馬君
「やったーまだまだ旅行初日〜沢山遊べる〜〜」ノリノリきみ子がプップこく、やはり旅の初日の夜は嬉しいものだ、テンションは上がってしまう。
すると、きみ子がこんな事を「みんな知ってた、アイフォンTVに繋げて観れるの」
「なぬ?」大人二人は、その言葉にこんな反応をしたそうな、何故か?
彼らはこの後の展開を予測出来たからだ。賢い読者の皆様は既にお気づきであろう、この先のいつもの展開を。
「じゃあさっきの稲川淳二」多網が言う。
「やった〜それ最高〜〜」冬馬君と大喜がノリノリになる。
「稲川淳二じゃなくて、心霊番組も沢山観れるよ」きみ子のその言葉に飛び跳ね喜ぶ子供達(君らは本当好きだね〜心霊系が、心霊キッズと呼んじゃうぞ、なんじゃ?)。
震え上がる、サーとスー。せっかくの安息の場が、しかもこんな森に囲まれた場所で心霊番組なんて、シチュエーションからして怖すぎる。まずいっ!!止めさせなくては。
だが自分が怖がってるなんて知れたら、私のかっこいい自画像が汚れてしまう(この二匹は何も変わらない様である)。
「でもさ、怖い番組はいつでも観れるよ、今は山の中にいる静寂を楽しもうよ」サーが言った。
すると多網が「静寂の中の心霊最高」両手を天にかざす。
「そうだよこの状況はやっぱ怖い番組でしょ、だって今日旅行初日だよ(すげー理由である)」冬馬君はノリノリで、既に布団にくるまっている。
「でもやっぱ心霊はね〜」サーとスーがそう言った直後、きみ子が「まさか、二人怖いの?」ドキンッ「そんな事はないよ、僕達が幽霊如きにビビるわけないよ」
「じゃー良いじゃん」と、大喜。
こうして、心霊番組閲覧決定!!
察しの良い読者の方々は理解しているであろう、天気が悪くなってる事を。
子供達は心霊番組のユーチューブをつけーの、TVに映しーの、布団にくるまりーの、準備万端である。(うむ、なんとも便利な時代である)
サーとスーも布団に包まりたいが為「露天風呂からあがったら寒くなっちゃった布団に包まろっと」ごく自然な流れで毛布をかける、珍しく二人も今回は準備万端であった。
だが、辺りは何もない森の中、静寂の中、怖い番組は始まる。
サーとスーは思う、もしお化けが出てもこの辺りには誰もいないんだぞ、やばいんだぞ、よしっ誰よりも速く寝てしまおうと。とりあえず絶対にこ奴より先に寝てやると互いを見つめながら思ったそうな。
「ひよぇ〜この状況での心霊番組はたまらん」と冬馬君がウキウキしながら言う(無論布団に包まりながら)。
番組が始まった瞬間、多網はサッと立ち上がり電気を消した。
「やっぱこうでなくっちゃ」と冬馬君。
サーとスーは速攻で目をつむる、速く寝ないと誰よりも速く。
「初めての場所で観るといつもより怖く感じるね」きみ子が言った。頷く大喜「隣の空いてるスペースが凄い気になる』と言って布団にしっかりくるまる。
番組が始まってわずか五分、冬馬君、多網、大喜は既に寝ていた。さすがに疲れていたのだろう。
それとは逆に全く寝たくても寝れないサーとスー、TVから流れるナレーションは「この映像を観よ!!」サーとスーは思った、絶対にみないぞ。「みなきゃ呪われるよ〜」(なんちゅ〜TVじゃ)男二人はその言葉ですぐにTVを観る、そして叫ぶ「うぎゃおお〜〜っ」
ど〜してこ〜寝なきゃいけない時に限って寝付けないんだ〜、心の中叫ぶ。
その時だった、きみ子が「ねぇなんか気配感じない?」
「ちょっとやだな〜きみちゃん、そんな冗談」テンパりだす二人
この時きみ子はようやく冬馬君達が寝てる事に気づく、あっみんな寝てる、そして思った、やばい私もはやく寝ないと一人最後まで起きてるのは絶対に怖い。三人は気持ち良さそうに眠りについているグガア〜〜ぐ〜スピ〜カァ〜〜。
きみ子はサーとスーが眠りにつく前に先に寝なければと強烈な屁をこいた。何故?何故なら臭い屁を自分で嗅ぎ、気絶する作戦に出たのだ(どんな作戦じゃ)だが逆に臭すぎて目が覚めてしもうたそうな。
しまったあああ〜、しかしこの作戦は意外な効果を生む。
その臭さに、閉じかけていたサーとスーの目はガン開きになってしもうた。
こうして三人の競争の幕はきって落とされた。
名付けて「お前は先に寝かさない!!」(ある意味幽霊より怖い様な)。
ポッ、ポツ 窓ガラスに何かのあたる音「なんか僕も気配感じる」その音に驚いてそんな言葉を発したのはスー。
「外に誰かがいるんじゃない?」スーは布団にもぐりこむ。
ポツ ポッ ザアアアアアア〜〜「あっ雨が降ってきたんだ」サーときみ子は先程からのなにかの気配は雨だったんだと思った。
「しかし随分強い雨だ」激しい雨の音により寝ていた三人も目を覚ます「何この音?」これにてきみ子、サーとスーはホッとした。良かったあ〜みんな起きたと。
「雨降ってきたの?」冬馬君は目をこすりながらちらっとTVを観る、心霊番組まだやってるし。
その瞬間だった、ピカッ サーとスーの表情が変わる。
天敵が来た!!そう雷様現る。
ザアアアアアアアアア〜〜「凄い雨」多網がニヤリほくそ笑む。
この状況心霊番組に持ってこいだと(凄い発想)
びゅううう〜〜風が窓を揺らす。
ゴロゴロゴロゴロ「あっ雷の音」大喜の一言に大人二人の顔から血の気が引く「やっ、奴が来た」
その言葉を聞き、勘違いしたのは子供達「奴?」
なにか出たんだ!まさか幽霊。
ザアアアアアアアアア〜〜激しい雨が降りしきる。
ピカッ 「すごい光ったよ」叫ぶ子供達
男二人は股間を必死に隠し叫んだそうな「奴が来たあああああああ〜わ〜〜〜〜」
ゴロゴロゴロゴロ「ぎゃああ〜〜」みんなは布団にもぐり込む。
「みんなこんな時こそ一致団結しよう」サーが提案する。
「どうするの?」
「奴(雷)に帰ってもらおう」
子供達は勘違いしてる「分かった奴(幽霊)に帰ってもらおう」
「みんな勇気を出して踊れば良いんだよ(どうしてそうなるきみちゃん)」
「分かった、踊ろう(皆疑いもなく納得)」
立ち上がる六人の猛者達「みんな一言ずつ叫ぶのよ」
その時だった ピカッ
凄まじい雷鳴が轟いたゴガアアアアアアアアアアアアアアアアンッ〜〜
「うぎゃあお〜〜なやなはゆたなよはゆまつゆらはゆまやりゆまならやによ」サーとスーはあまりの驚きに脳のリミッターが吹っ飛んでしまった。
「ぎゃあああっ、サーとスーが奴に取り憑かれちゃった」叫ぶ子供達。
とりあえず雷が股間に落ちると信じてるサーとスーは股間を手で隠しながら立ち尽くしていた「にまはなやみなやわみよ」
「やばいよサーとスーがおかしくなっちゃった」
と、ここで雷様が言ったそうな
「じゃかしい、そろそろ寝かせるか(すげー雷だ)」ピカッンッ
ゴギャアアアアアアアアアアアアンッ〜〜
「にさらやまやかねらをまならわまねはやわやなまわらはなひゃわやらはなゃなまやるゃはら」皆は気絶したそうな。
チュンチュン朝がやって来た。
昨日の夜が嘘見たく快晴である。
「あれ昨日はあまりにびっくりして気失っちゃったみたい」冬馬君が起きた。時刻は10時を過ぎた頃。
みんなはぐっすり眠ってる、冬馬君はリビングから外に出てみた。「うわあ〜辺り一面森に囲まれてる」日常と全く違う風景が広がっていた「ああ旅行来たんだなぁ、やっぱり自然は良いなぁ」しみじみと感じてしまう。
すると家の中からサーの声が「後でドライブにでも行こうか」
「うきょ〜〜最高」
みんなの旅行は続く。




